新規事業研究会月例会講演要旨

(2019年)
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    • 講演:『導電性バナジン酸塩ガラスを用いた空気電池空気極二元機能触媒』
          環境材料研究所所長、元近畿大学教授
          西田 哲明(ニシダ テツアキ) 氏
       
    • 講演日:2019年1月12日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館3F手島精一記念会議室

    • 【講演要旨】
       演者は1980年(九大理)以降、メスバウアー分光法を用いて酸化物ガラスの原子レベルの構造解析を行ってきた。1996年、酸化バナジウムを主成分とするバナジン酸カリウム鉄ガラスをガラス転移温度以上で適度に加熱するとガラス骨格のゆがみが小さくなり、電気抵抗が4桁減少することを発見した。2000年以降、企業との産学連携により導電性バナジン酸バリウム鉄ガラスを用いてリチウムイオン電池正極活物質、プラズマ放電針、ソーラー電池バスバー電極等の開発に従事している。
       金属−空気電池は、リチウムイオン電池の5〜10倍のエネルギー密度を有する。2016年に研究室を引継いで頂いた岡 伸人先生(元東北大多元研准教授(研究特任))と共同開発した金属−空気電池の「空気極二元機能触媒」は、レアアースを用いた従来の触媒よりも優れた電池特性を示す。酸素還元と酸素発生(酸化)を併せ持つこの新規二元機能触媒が、我が国の産業界の発展に貢献することを願っている。

     

    • 【略歴】
      2017年4月  環境材料研究所所長
      2016年3月  近畿大学定年退職
      2010年10月 近畿大学分子工学研究所副所長/近畿大学産業理工学部生物環境化学科長
      2008年4月 近畿大学産業理工学部教授
      2000年4月 近畿大学産業理工学部助教授
      1977年11月 九州大学理学部助手
      1977年3月 九州大学大学院理学研究科化学専攻博士課程修了(理学博士)

      専門分野は環境材料科学、無機材料工学、放射化学など。詳細はJSTの研究者紹介サイトで紹介 https://researchmap.jp/read0172399/

     



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    • 講演:『大型リチウムイオン電池の特長と保護回路・モジュール設計について』
          マイクロ・ビークル・ラボ株式会社 代表取締役
          松尾 博(マツオ ヒロシ)氏
       
    • 講演日:2019年2月9日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館3F手島精一記念会議室

    • 【講演要旨】
      1. 大型リチウムイオン電池の種類と特長
      1.1 正極材料について
      1.2 セルの形状について
      1.3 電池の作り方

      2. 大型リチウムイオン電池の特性
      2.1 リチウムイオン電池の利用メリット
      2.2 充電・放電特性
      2.3 サイクル特性
      2.4 保存特性
      2.5 安全性試験
      2.6 輸送時の注意

      3. 保護回路の役目
      3.1 過充電と過放電
      3.2 保護回路のシステム

      4. モジュール設計のポイント
      4.1 設計に必要な情報
      4.2 安全な運用と信頼性向上のために

      プロジェクトの紹介

     

    • 【略歴】
      《 学歴・職歴 》
      1960年 10月 三重県上野市(現在の伊賀市)生まれ
      1983年 京都工芸繊維大学 工芸学部 無機材料工学科 卒業
      1985年 京都工芸繊維大学 工芸学研究科 無機材料工学専攻 修了 (修士)
      1985年 宇部興産株式会社 入社 宇部研究所 勤務
      1992年 株式会社KRI 入社 受託研究本部 勤務
      2005年 マイクロ・ビークル・ラボ株式会社 を設立・代表に就任
      2008年 株式会社電源設計 を設立し、2社の代表取締役を兼務。
      2012年 福井大学大学院 工学研究科 博士課程 修了(工学博士)
      2013年 福井大学 産学官連携本部 客員教授を拝命

      《 主要な職歴・著作物等 》
      【職歴】
      宇部興産でセラミックス(Si3N4)やPVDコーティング、建材などの研究開発を経験した後、KRIでMCFCやSOFCと呼ばれる燃料電池に使用されるセラミックス材料の劣化メカニズムを研究。さらに、車両用PEFCやパワーデバイス(GaN)の研究、大型リチウムイオン電池の事業化を担当。KRIの電池事業の中止に伴い、退職して「マイクロ・ビークル・ラボ」を立ち上げ、小型電気自動車や大型ロボット、蓄電システム向けのリチウムイオン電池モジュールの試作を行っている。2010年には経済産業省のプロジェクトで40kWhの電池を搭載した電気推進船の実証実験を行った。電池の保護回路(BMS)の開発に力を入れており、日本メーカーのセルを使用した電池モジュール(組電池)を1台からカスタムメイドで製作することを得意としている。 また、安全で正しいリチウムイオン電池の使い方の啓蒙活動も行っており、電池の燃焼実験結果で2018年11月に消防防災科学技術賞を受賞した。

      【著書】
      「リチウムイオン電池における高容量化・高電圧化技術と安全対策」共著、技術情報協会、2018年
      「次世代蓄電池の【最新】材料技術と性能評価」共著、技術情報協会、2013年
      「新製品開発における軽薄短小化への新技術」共著、技術情報協会、2012年
      「リチウムイオン二次電池/材料の発熱挙動、劣化評価と試験方法」共著、技術情報協会、2011年
      「リチウム二次電池の車載技術、劣化・トラブル要因」共著、技術情報協会、2011年

     



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    • 講演:『ダイヤモンドパワーデバイス』
          金沢大学 ナノマテリアル研究所 教授(リサーチプロフェッサー)
          徳田 規夫(トクダ ノリオ)氏
       
    • 講演日:2019年2月9日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館3F手島精一記念会議室

    • 【講演要旨】
       ダイヤモンドは、極めて高い電子及び正孔の移動度、熱伝導率、そして絶縁破壊電界を持つことから、革新的なパワーデバイス材料として期待されている。本講演では、現状の半導体ダイヤモンドに関する研究開発状況について概説し、我々の研究成果である原子レベルのダイヤモンドエピタキシャル成長制御、不純物ドーピング制御、ダイヤモンド表面界面構造制御、そしてそれらの技術を用いた半導体ダイヤモンドウェハと我々が世界で初めて実現した反転層チャネルダイヤモンドMOSFET等について紹介する。

     

    • 【略歴】
      氏名 徳田 規夫

      所属 金沢大学 ナノマテリアル研究所

      現職 教授(リサーチプロフェッサー)

      (兼)産業技術総合研究所 先進パワーエレクトロニクス研究センター ダイヤモンドデバイスチーム
      クロスアポイントメントフェロー

      略歴
      2005年3月 筑波大学大学院 数理物質科学研究科 電子・物理工学専攻修了 博士(工学)
      2005年4月〜2009年3月 産業技術総合研究所 特別研究員  
      2009年4月〜2011年8月 金沢大学 理工研究域 電子情報学系 助教  
      2011年9月〜2018年3月 金沢大学 理工研究域 電子情報学系 准教授
      2015年2月〜現在 金沢大学 リサーチプロフェッサー
      2018年4月〜2018年7月 金沢大学 理工研究域 電子情報通信学系 准教授
      2018年4月〜現在 産業技術総合研究所 クロスアポイントメントフェロー
      2018年8月〜2018年11月 金沢大学 ナノマテリアル研究所 准教授
      2018年12月〜現在 金沢大学 ナノマテリアル研究所 教授

 


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    • 講演:『分子の積み木細工による2次元機能材料の創製
              −液面の特異性を利用して作る多孔性分子ナノシート−』
          大阪府立大学 大学院工学研究科
          物質化学系専攻 マテリアル工学分野 准教授
          牧浦 理恵(マキウラ リエ)氏
       
    • 講演日:2019年3月9日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館3F手島精一記念会議室

    • 【講演要旨】
       高度情報化社会において,電子機器に対するより軽く・薄くといった社会的要求に加え,省資源化が望まれる中,ナノメートルスケールの厚みを有する2次元物質ナノシートは,究極に薄い機能材料として注目を集めている.グラフェンはナノシートの代表として盛んに研究が行われており,その他金属酸化物や金属カルコゲナイトのナノシートが報告されている.一方で,有機分子を構成要素として得られる分子ナノシートは,構造設計性に優れ,分子の大きさや形状により骨格構造を変化させることができるため,多様なナノシートの創製が期待される.
       我々は,有機分子と金属イオンからなる配位高分子(MOF : metal-organic frameworkナノシートの作製に成功した.これは結晶性且つ配向性を有するMOFナノシートの世界で初めての例であり,気体と液体が接する2次元界面を利用した点が特徴である.気液界面にて得られたMOFナノシートを固体基板に転写し,転写プロセスを繰り返すことで膜厚を精密に制御し,3次元的に結晶性を有するナノ薄膜が得られた.本講演においては、MOFナノシートのみならず、水素結合により分子が連結して出来た結晶性ナノシートや、そのサイズや形状の制御法に関して紹介する.

     

    • 【略歴】
      大阪府立大学 大学院工学研究科
      物質化学系専攻 マテリアル工学分野
      准教授 牧浦理恵

      【専門】
      錯体化学
      ナノ材料(ナノシート、ナノ粒子)
      有機半導体(薄膜電子デバイス)
      表面・界面科学

      【学歴・学位】
      2010年2月 博士(理学) 九州大学大学院理学研究院
      2002年3月 修士(理学) 筑波大学大学院数理物質科学研究科 単位取得退学
      2000年3月 学士(理学) 筑波大学第一学群自然学類卒業

      【職歴】
      2015年4月-現在 大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 准教授
      2012年10月-2016年8月 科学技術振興機構 さきがけ研究者(兼任)
      2010年4月-2015年3月 大阪府立大学 21世紀科学研究機構 ナノ科学・材料研究センター
      特別講師(テニュアトラック講師)
      2007年6月-2010年3月 九州大学大学院理学研究院 特任助教
      2002年4月-2007年5月 セイコーエプソン株式会社 テクノロジープラットフォーム研究所

      【主な受賞】
      2016年7月 第62回高分子研究発表会 ヤングサイエンティスト講演賞
      2014年4月 平成26年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞
      2014年3月 平成25年度 女性化学者奨励賞、日本化学会

      【主要論文】
      [1] R. Makiura, T. Yonemura, T. Yamada, M. Yamauchi, R. Ikeda, H. Kitagawa, K. Kato, and M. Takata, "Size-Controlled Stabilisation of the Superionic Phase to Room Temperature in Polymer-Coated AgI Nanoparticles", Nature Mater. 8, 476-480 (2009).
      (ハイライト論文に選出され、日本経済新聞をはじめとする11以上の新聞記事に取り上げられる)
      [2] R. Makiura, S. Motoyama, Y. Umemura, H. Yamanaka, O. Sakata, and H. Kitagawa, "Surface Nano-architecture of a Metal?Organic Framework", Nature Mater. 9, 565-571 (2010).
      (ハイライト論文に選出され、日本経済新聞をはじめとする5以上の新聞記事に取り上げられる)
      [3] S. Motoyama, R. Makiura, O. Sakata, and H. Kitagawa, "Highly crystalline nanofilm by layering of porphyrin metal-organic framework sheets", J. Am. Chem. Soc. 133, 5640?5643 (2011).
      [4] R. Makiura, Y. Takabayashi, A. N. Fitch, H. Tokoro, S. Ohkoshi, K. Prassides, "Nanoscale effects on the stability of the lambda-Ti3O5 polymorph", Chem. Asian J., 6, 1886-1890, (2011).
      [5] R. Makiura, and O. Konovalov, "Interfacial growth of large-area single-layer metal-organic framework nanosheets", Sci. Rep, 3, 2506 (2013).
      [6] R. Makiura, H. Kitagawa, Y. Akita, and M. Yoshimoto, “Toward step-by-step nuclear growth of surface two-dimensional porphyrin nanonetworks”, J. Colloid Interface Sci., 413, 71-77 (2014).
      (Editor’s Choiceに選出, 表紙絵に採択)
      [7] R. Makiura, R. Usui, Y. Sakai, A. Nomoto, A. Ogawa, O. Sakata, and A. Fujiwara, "Towards rational modulation of in-plane molecular arrangements in metal-organic framework nanosheets", ChemPlusChem, 79,1352-1360 (2014).
      (2014, 2015, 2016, 2017年度連続して最多アクセス論文に選出)
      [8] R. Makiura, S. Teragawa, K. Tsuchiyama, A. Hayashi, K. Tadanaga, and M. Tatsumisago,
      "Liquid-phase step-by-step growth of an iron cyanide coordination framework on LiCoO2 particle surfaces"
      Dalton Trans., 44,15279-15285 (2015).
      [9] R. Makiura, K. Tsuchiyama, E. Pohl, K. Prassides, O. Sakata, H. Tajiri, O. Konovalov, "Air/liquid interfacial nanoassembly of molecular building blocks into preferentially-oriented porous organic nanosheet crystals via hydrogen bonding", ACS Nano, 11, 10875?10882 (2017).
      (読売新聞をはじめとする4以上の新聞記事に取り上げられる)
      [10] 牧浦 理恵, 大坪主弥, 北川宏,
      “第18章 多孔性金属錯体の表面ナノアーキテクチャ”,
      CSJカレントレビューシリーズNo. 26 “2次元物質の科学” (日本化学会編) , 化学同人, (2017).

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    • 講演:『セラミックスの破壊の本質解明と信頼性向上のための新規評価法』
          横浜国立大学大学院環境情報研究院 教授
          多々見 純一(タタミ ジュンイチ)氏
       
    • 講演日:2019年3月9日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館3F手島精一記念会議室

    • 【講演要旨】
       セラミックスは金属やポリマーにない優れた機能を有していますが、機械的信頼性が低いことが有史以来の課題でした。これを解決するためには、高度なものづくりとともに破壊に関する知見を得ることが必要です。本講演では、超微小試験片を用いたメソスケールの破壊特性評価、走査型プローブ顕微鏡を用いたナノフラクトグラフィー、光コヒーレンストモグラフィーによる不透明セラミックスの内部構造のリアルタイム三次元観察についてご紹介します。これらの評価法を通じて得られる、従来ブラックボックスとしていた機械的特性や破壊を支配する欠陥とその生成過程の可視化について報告します。

     

    • 【略歴】
      1997年3月 東京工業大学大学院理工学研究科無機材料工学専攻博士課程修了(博士(工学))
      1997年4月 日本学術振興会特別研究員PD
      1997年12月 横浜国立大学工学部助手
      2002年12月 横浜国立大学大学院環境情報研究院助教授
      2007年4月 横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
      2012年4月 横浜国立大学大学院環境情報研究院教授(現職)
      2017年4月 神奈川県立産業技術総合研究所有望シーズプロジェクトプロジェクトリーダー

      主な受賞:
      2009年 科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞
      2011年  米国セラミック学会 Richard M. Fulrath Award受賞
      2014年  第11回日本学術振興会賞受賞
      2018年 日本セラミックス協会 学術賞



 

 


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2019年4月3日 最終更新

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