新規事業研究会月例会講演要旨

(平成28年)
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    • 講演:『2016年を俯瞰する』
          愛知淑徳大学ビジネス学部、ビジネス研究科教授、学部長、研究科長
          真田 幸光 氏
       
    • 講演日:平成28年1月9日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 1F くらまえホール

    • 【講演要旨】
       現行の世界秩序が大きく変化するかもしれないこの時代を如何に読み解くか、経営者の力量が問われる時代が来た。
       ドラッカー先生のご指摘の通り、変化を当然かつ健全なものとして捉え、自らの立ち位置をしっかりと見極め、他に先んじて新たなものに挑戦する気概を今こそ、持つべきである。
       しかし、現場認識を誤れば、そこには致命傷を負うリスクも伴う。
       そこで、今回の講演では国際情勢を俯瞰し、如何なるチャンスが潜んでいるかを探るヒントとなるようなお話をしていきたいと思う。

     

    • 【略歴】
      1957年東京都生まれ。曽祖父が真田家(松代)12代当主。慶應義塾大学卒業後,東京銀行入行。97年独系ドレスナー銀行東京支店 企業融資部長。98年愛知淑徳大学ビジネス コミュニケーション研究所助教授に就任。2002年4月同教授,2004年4月よりビジネス学部 研究科教授。テレビ,ラジオ出演をはじめ,論文 雑誌寄稿,中小企業大学校ほか活発な講演活動を展開する。

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    • 講演:『光散乱導光ポリマーの提案とディスプレイ・照明への応用』
          慶應義塾大学大学院 理工学研究科 特任教授
          フォトニクス・リサーチ・インスティテュート(KPRI) 副所長
          多加谷 明広 氏
       
    • 講演日:平成28年1月9日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 1F くらまえホール

    • 【講演要旨】
       透明ポリマーに異なる屈折率の微細な構造(不均一構造)を導入することで、入射光を効率よく散乱・出射することのできる「光散乱導光ポリマー Highly Scattered Optical Transmission (HSOT) polymers」を提案した。Mie散乱理論に基づき、モンテカルロ法を用いることで、不均一構造を最適化した光散乱導光ポリマーを液晶ディスプレイ用バックライトに応用し、実用化に成功した。次にリアプロジェクションディスプレイ用スクリーンへの応用を目指し、研究開発を進めた結果、従来のフレネルレンズを用いた方式とは異なる、光散乱導光ポリマー1枚からなる広視野角スクリーンの製品化に成功した。さらに近年、低消費電力・長寿命光源として普及しているLEDと組み合わせたダウンライト、シームレス照明の導光素子として利用されている。現在、光散乱導光ポリマーを利用して、視野角による色変化がほとんどない表面拡散型液晶ディスプレイの提案を行っている。

     

    • 【略歴】
      1991年3月 慶應義塾大学理工学部応用化学科卒業
      1996年3月 慶應義塾大学大学院理工学研究科物質科学専攻博士課程修了
      同年4月  ヘキストインダストリー株式会社に入社
      1998年3月 同社*を退職後、慶應義塾大学理工学部の小池康博教授がリーダーを務めるプロジェクトに研究員として参加。以降、現在まで同教授とともに光散乱導光ポリマー、ゼロ・ゼロ複屈折ポリマー、超複屈折フィルムの研究開発に従事。
      2010年4月 慶應義塾大学大学院特別研究准教授
      2011年4月〜現在まで  慶應義塾大学大学院特任教授

      受賞
      ・第20回(1998年度)応用物理学会賞 学会賞B(奨励賞)
      ・平成13年度 高分子研究奨励賞
      ・第20回(2009年度) プラスチック成形加工学会論文賞
      ・平成22年度 高分子学会日立化成賞
      ・2015 SID Special Recognition Awar




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    • 講演:『砂を利用した植物育成 = 連作障害の回避と年10作の実現 =』
          信州大学 名誉教授・特任教授
          谷口 彬雄 氏
       
    • 講演日:平成28年2月13日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 1F ロイアルブルーホール

    • 【講演要旨】
       砂栽培とは、適度な透水性と保水性を有する砂を利用した農法である。そのため、連作障害を引き起こす阻害物質を培地に蓄積すること無く栽培を続ける事が可能となる。建設用の足場材の上に作業のしやすい高さに栽培棚を設置し、栽培するものである。設置コストの安さから全国に拡がりつつある。
       砂栽培の仕様、栽培実績、拡がり状況を概観する。

     

    • 【略歴】
      谷口 彬雄(たにぐち よしお)
      略歴
      1972年3月 大阪大学大学院 基礎工学研究科 博士課程修了 工学博士
      1972年4月 (株)日立製作所 中央研究所
      1984年5月 有機エレクトロニクス材料研究会設立 以降会長
      1985年4月 (株)日立製作所 基礎研究所
      1996年4月 信州大学 繊維学部 機能高分子学学科 教授
      2009年4月 信州大学 名誉教授・特任教授
      2010年4月 知的財産高等裁判所 専門員

      現職
      ・国立大学法人信州大学  名誉教授・特任教授
      ・国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)
              戦略的イノベーション創出推進(S-イノベ)
              プログラム・オフィサー
      ・一般社団法人有機エレクトロニクス材料研究会 名誉会長
      ・一般社団法人日本砂栽培協会 会長
      ・潟Jーメイト 社外取締役



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    • 講演:『ナノ光ファイバーの技術とその展開』
          電気通信大学フォトニックイノベーション研究センター
          センター長、特任教授
          白田 耕藏 氏
       
    • 講演日:平成28年2月13日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 1F ロイアルブルーホール

    • 【講演要旨】
       近年、次世代の新しい情報通信の方法として量子情報通信が注目を集めている。基本的な着想は情報伝送を担う光媒体としてレーザー光(コヒーレント光:光子の高度に無秩序な流れ)ではなく単一光子の規則的な流れを用いることであり、各単一光子に暗号鍵情報をのせることにより原理的に高秘匿な情報通信を実現することである。光伝送ネットワークは従来と同じく光ファイバー網である。このため、量子情報通信を実現するために必須な光技術は、光ファイバー中に効率良く単一光子を発生したり、それらを様々に操作制御する技術である。ここで紹介する「ナノ光ファイバー法」はこのために開発されている技術であり、ナノ光ファイバーとは通信用の光ファイバーの一部をサブミクロン直径に極細化したものである。講演では、ナノ光ファイバー作製法、単一光子発生の技術、ナノファイバー上への共振器組み込み、等について特に材料科学との関連を念頭に議論する。

     

    • 【略歴】
      1969年3月  東京大学工学部物理工学科卒業
      1974年3月  東京大学大学院理学系研究科博士課程修了 (理学博士)
      1983年5月  電気通信大学助教授 新形レーザー研究センター
      1993年4月  電気通信大学教授 電気通信学部電子物性工学科
      2012年4月  電気通信大学フォトニックイノベーション研究センター
              センター長、特任教授
      現在に至る。

      この間、
      1997年10月?2003年3月
        JST戦略的基礎研究推進事業(CREST)
        「量子固体と非線形光学:新しい光学過程の開拓」 研究リーダー
      2003年4月?2008年3月
        文科省 21世紀COEプログラム
        「コヒーレント光科学の展開」  拠点リーダー
      2010年1月?2019年3月(予定)
        JST戦略的イノベーション創出推進プログラム
        「ポリマーナノ光ファイバーによる量子フォトニクス情報通信技術の開発」 
                       プログラムマネージャー





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    • 講演:『ナノ・マイクロスケールの材料化学への挑戦』
          東京工業大学 フロンティア研究機構 教授
          資源化学研究所集積分子工学部門 教授
          彌田 智一(いよだ ともかず) 氏
       
    • 講演日:平成28年3月12日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 3F 手島精一記念会議室

    • 【講演要旨】
       化学組成が一義的に物性・機能を決定するのではなく、既存の材料であっても、ナノ・マイクロスケールでかたち、配置、配列と混合パラメーターの制御によって、材料化プロセス主導の人工物質(超集積材料)が開発できる。「上手に混ぜる」をキーワードに、ユニバーサルなナノテンプレートプロセス、バイオテンプレート技術による藻類由来の次世代電波応答材料、塗工できるタンパク質凝縮体、分子回路工学を拓く分子グリッド配線技術など我々のナノ・マイクロ材料化学への挑戦を紹介する。


     

    • 【略歴】
      彌田 智一(いよだ ともかず)
      現職:東京工業大学 フロンティア研究機構 教授
                 資源化学研究所集積分子工学部門 教授

      学歴:
      1979 年(S54)3 月 京都大学工学部石油化学科卒業
      1981 年(S56)3 月 京都大学大学院工学研究科石油化学専攻修士課程修了
      1984 年(S59)3 月 京都大学大学院工学研究科石油化学専攻博士後期課程単位認定退学
      1984 年(S59)11月 京都大学
      工学博士
      「光誘起電子移動反応による光エネルギー変換システムに関する研究」

      職歴:
      1984 年(S59)5 月 京都大学大学院工学研究科分子工学専攻 助手(本多・清水研)
      1991 年(H3)8 月 米国アルゴンヌ国立研究所化学科 研究員(John R. Miller グループ)
      1994 年(H6)4 月 財)神奈川科学技術アカデミー 橋本「光機能変換材料」プロジェクト 副室長
      1996 年(H8)7 月 東京都立大学工学部工業化学科 教授(有機工業化学講座)
      2002 年(H14)4 月 東京工業大学資源化学研究所 教授(光機能化学部門)
      2002 年(H14)11 月 JST-CREST 蒲生「ナノファクトリ−とプロセス観測」領域 研究代表者「高信頼性ナノ相分離構造テンプレートの創成」
      (〜2008 年3 月)
      2006 年(H18)4 月 東京工業大学資源化学研究所 教授(集積分子工学部門)
      2010 年(H22)10 月 JST-ERATO 彌田超集積材料プロジェクト研究総括(〜2016 年3 月)
      2011 年(H23)4 月 東京工業大学フロンティア研究機構 教授 資源化学研究所 教授(集積分子工学部門、兼任)
      現在に至る

      受賞歴:
      1991 年(H3) 電気化学会進歩賞(佐野賞)
      1991 年(H3) 高分子学会研究奨励賞
      2006 年(H18) 米国化学会Arthur K. Doolittle 賞
      2007 年(H19) 文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)
      2009 年(H21) 高分子学会賞(科学)
      2010 年(H22) 電気化学会論文賞



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    • 講演:『セラミックスのホットスポット現象とその応用』
          (一財)ファインセラミックスセンター所長
          長岡技術科学大学 名誉教授
          高田 雅介(たかた まさすけ) 氏
       
    • 講演日:平成28年3月12日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 3F 手島精一記念会議室

    • 【講演要旨】
       酸化物高温超電導体として知られているLnBa2Cu3O7-δ(Ln =希土類元素)のセラミックス線材に、室温で電圧を印加すると、線材の一部分が赤熱する現象を見いだし、これを「ホットスポット現象」と名付けた。ホットスポット発生後、電流が電圧に依存しない定電流特性を示す。この定電流が雰囲気の酸素濃度に依存するという特性を用いて、酸素センサとしての応用が期待できる。
      講演では、我々が参加している耐環境性セラミックスコーティング(EBC:Environmental Barrier Coating)のプロジェクト等についても紹介したい。



    • 【略歴】
      高田 雅介 (たかた まさすけ)
      1976年3月  東京大学大学院工学系研究科博士課程修了 (工学博士)
      1976年4月  東京大学工学部助手
      1980年4月  長岡技術科学大学助教授
      1991年4月  長岡技術科学大学教授
      2007年4月  長岡技術科学大学、工学部長、工学研究科長、副学長
      2009年9月  長岡技術科学大学理事・副学長
      2012年4月  一般財団法人ファインセラミックスセンター
                専務理事、材料技術研究所長、ナノ構造研究所長
      2014年から、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)、革新的構造材料、耐環境性セラミックスコーティングの拠点長

      【受賞歴】
      1982年 5月  日本セラミックス協会進歩賞
      1987年11月 新潟日報文化賞
      1992年11月 フルラスパシフィック賞
      1995年 5月  日本セラミックス協会学術賞
      1996年    Academician, Asia-Pacific Academy of Materials(APAM)
      2004年 3月 高木賞(未踏科学技術協会)
      2012年10月 Society Fellow, American Ceramic Society
      2013年 6月 Academician, World Academy of Ceramics
      2016年 6月 日本セラミックス協会フェロー


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    • 講演:『次世代パワー半導体シリコンカーバイドの開発状況』
          関西学院大学 理工学部 先進エネルギーナノ工学科 教授
          SiC材料・プロセス研究開発センター センター長
          大谷 昇 氏
       
    • 講演日:平成28年4月9日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 1F ロイアルブルーホール

    • 【講演要旨】
       産業機器、自動車、鉄道車両などの省エネルギー化は、我国のエネルギー政策にとって重要なだけでなく、産業競争力の観点からも重要な技術である。この分野で、革新的な技術として期待されているのが、シリコンカーバイド(SiC)パワー半導体である。既にリカバリー電流が極めて小さなSiCショットキー障壁ダイオードが各種電源や太陽電池用パワーコンディショナー向けに量産されているが、本格的な普及には、未だ多くの課題を残している。
       本講演では、SiCパワー半導体の現状について紹介すると共に、SiCパワー半導体の礎となるSiC単結晶ウェーハのこれまでの開発経緯と今後解決すべき課題について議論する。


     

    • 【略歴】
      1960年、東京都生まれ。1984年に東京工業大学修士課程物理学専攻修了。同年、新日本製鐵(株)入社。同社中央研究本部第一技術研究所配属。その後、エレクトロニクス研究所を経て、先端技術研究所に勤務。一貫して、半導体材料・デバイスの研究開発に従事。特に、パワーデバイス用シリコンカーバイド(SiC)半導体の研究開発・事業化に注力。2008年に関西学院大学教授に就任。その間、1991〜1993年英国Imperial College London博士課程在学。1993年同課程修了(Ph.D.取得)。1997年日本金属学会技術開発賞受賞。2007年日経BP技術賞受賞。


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    • 講演:『ミスト(霧)を使った薄膜作製技術の開発と光・電子デバイスへの応用』
          津山工業高等専門学校 電気電子工学科 准教授
          香取 重尊 氏
       
    • 講演日:平成28年4月9日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 1F ロイアルブルーホール

    • 【講演要旨】
       霧は空中を浮遊できるほど微小な液滴であり、その大きさは直径数マイクロメートルといわれている。液体に超音波を印加することで人工的に霧を発生させることが可能であり、身近なところでは加湿器や医療用のネブライザーとして利用されている。超音波噴霧を利用すると、様々な有機溶媒も人工的に霧として発生させることが可能となり、溶質を含む溶液を超音波噴霧し、吹き付けると液滴サイズが微小かつ均一であるため、良質な薄膜が形成される。
       本講演では霧を使った薄膜作製手法について紹介すると共に、得られた薄膜を使った光・電子デバイスへの応用例とその可能性を紹介する。


    • 【略歴】
      2003年 3月 京都工芸繊維大学大学院 博士後期課程修了 博士(工学)
      2003年 4月 京都大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー博士研究員
      2005年 4月 京都大学産官学連携センター 産官学連携研究員
            (京都大学国際融合創造センターからの改組・現京都大学産官学連携本部)
      2008年 2月 京都大学大学院工学研究科 電子工学専攻 産官学連携研究員
      2013年 4月  津山工業高等専門学校 電気電子工学科 講師
             地域共同テクノセンター 副センター長
      2015年11月 津山工業高等専門学校 電気電子工学科 准教授
      現在に至る。

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    • 講演:『SiC上エピタキシャルグラフェンの成長と応用への展望』
          名古屋大学 未来材料・システム研究所 材料創製部門長 教授
          楠 美智子 氏
       
    • 講演日:平成28年5月14日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館3F手島精一記念会議室

    • 【講演要旨】
       グラフェンは理想的な2次元原子膜であり,その優れた電気特性から,特に高速電子デバイスなどエレクトロニクス応用に向けた研究が精力的に行われてきた.本稿では,グラフェンの合成法の一つであるSiC表面熱分解法に焦点を絞り,主に透過電子顕微鏡を用いて調べたエピタキシャル・グラフェンの成長機構,基板との界面構造,積層構造について解説する.特にSiCの極性や表面ステップ構造がグラフェン特性に及ぼす多彩性,優位性を紹介するとともに,近年の移動度を中心とした特異な電気特性,結晶異方性,ナノリボン化,ねじれ積層構造等についての話題をレビューし,今後の可能性を述べる.


     

    • 【略歴】
      楠美智子 Michiko Kusunoki
      名古屋大学 教授

      略歴:
      1975年、東京工業大学工学部金属工学科卒業、
      1980年、東京工業大学院理工学研究科金属工学専攻博士課程修了。博士(工学)。
      同年、東京工業大学助手。新技術事業団 林超微粒子プロジェクト、新技術事業団 黒田固体表面プロジェクトを経て、
      1991年、(財)ファインセラミックスセンター 主席研究員、グループマネージャー。
      2007年、 名古屋大学エコトピア科学研究所 教授。 
      2015年10月〜 名古屋大学 未来材料・システム研究所 材料創製部門長 教授

      専門: ナノカーボン材料、電子顕微鏡回折学、結晶材料学

      受賞歴:
      日本金属学会 論文賞 (1985年)
      日本金属学会 技術開発賞 (1997年)
      日本セラミックス協会 学術賞 (2005年)
      日本顕微鏡学会賞(瀬籐賞)(2010年)



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    • 講演:『福井県立恐竜博物館のミステリーゾーン−その魅力を紐解く−』
          福井県立恐竜博物館 副館長
          後藤 道治 氏
       
    • 講演日:平成28年5月14日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館3F手島精一記念会議室

    • 【講演要旨】
       福井県立恐竜博物館はいくつかの不思議な魅力があります。まず、入館者数の推移が徐々に右肩上がりになる特異な状態であることです。その原 因を論理的に分析して徐々に増加する理由の普遍性を発見し、他に応用することなく喜ぶことは実に愚かなことです。また、展示している化石から 過去の死亡事件を、まるで名探偵にでもなったかのようなつもりで紐解く面白さは、伝え切れていません。然もわかったようなふりをして実はわからないことだらけの世界が博物館内には広がっています。その世界の一端を皆さんとご一緒に楽しみましょう。


    • 【略歴】
      後藤道治
      昭和32年(1957年)生
      札幌市出身

      略歴
      昭和58年(1983年):信州大学大学院理学研究科修了(理学修士)
      平成10年(1998年):福井県立博物館勤務
      平成11年(1999年):金沢大学大学院自然科学研究科修了(博士(理学))
      平成12年(2000年):福井県立恐竜博物館勤務
      現在に至る(現:恐竜博物館副館長)

      研究テーマ
      北陸地方を中心としたジュラ・白亜紀の地史古生物学的研究
      中生代軟体動物化石
      恐竜足跡化石

      所属学会
      日本地質学会
      日本古生物学会
      化石研究会
      地学団体研究会

      著書
      日本の地質「中部地方U」(共立出版)(共著)
      たのしくわかる地学100時間下巻(あゆみ出版)(共著)
      新訂版 日曜の地学6 北陸の自然をたずねて(築地書館)(共著)


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    • 講演:『WEB動画革命』
          ビジョン開発株式会社 映像企画制作部 部長
          荘司 佳輝 氏
       
    • 講演日:平成28年6月11日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館3F手島精一記念会議室

    • 【講演要旨】
       年々スマートフォンの普及により急成長し続けている動画市場の中で、どの企業も自社の商品紹介動画であったり、動画をプロモーション活動の一環として、ホームページなどサイトに設置している会社が増えてきている。ここで問題として上げられるのが、動画をユーザーに見てもらえているのか!?例え幾ら良い動画を制作してとしても、見て頂きたいユーザーに見て頂けなければ、何の効力も発揮しない。動画は持つか、持たないかの時代から、持ってどう活用していくかの時代になってきている。そこでまだまだ急成長を遂げているSNSを活用して、動画で見て頂きたいターゲットにピンポイントでプロモーションを行って行く動画マーケティングをご紹介させて頂きます。


     

    • 【略歴】
      ビジョン開発株式会社 映像企画制作部 部長


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    • 講演:『プラズマプリンティングの基礎と型技術への展開』
          芝浦工業大学 教授
          相澤 龍彦 氏
       
    • 講演日:平成28年6月11日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館3F手島精一記念会議室

    • 【講演要旨】
       マイクロ製造技術は、微細機械要素の部品製造技術としてスタートし、次世代のマイクロ部品製造技術へと展開をみせている。
       マイクロミリング・マイクロEDMによる微細加工では、微細な工具と膨大な加工情報作成が必要であり、まだ着手したばかりの開発段階の試作あるいは複雑形状で多数個どりの製造技術には適さない。

       プラズマプリンティングは、型基材あるいは部品の所定の表面に出発となる2次元マイクロパターンを描画し、未描画部位を選択的に高硬度化し、母材と同じ低硬度の描画部の基材を機械的に除去することで、基材に初期の2次元マイクロパターンに対応する3次元パターンをTextureとして彫り込む技術である。この方法の基礎は、低温プラズマ窒化プロセスによる選択的な高濃度窒素固溶化にあり、その異方的な固溶化によりプリンティングが可能となる。応用展開の1つとして、射出成形金型ならびにプレス成型金型への展開を示し、議論の対象としたい。


    • 【略歴】
      1980年東京大学大学工学系研究科博士課程修了
      1986年東京大学工学部助教授
      1996年同教授
      2005年トロント大学研究教授
      2009年芝浦工業大学教授
      現在にいたる。

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    • 講演:『次世代の蓄電池を目指して』
          東京工業大学 物質理工学院 教授
          菅野 了次 氏
       
    • 講演日:平成28年7月16日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館3F手島精一記念会議室

    • 【講演要旨】
       高容量・高出力であり、信頼性と安全性を兼ね備えた性能をもつ蓄電池が期待されている。リチウムイオン電池の性能を越える新しい蓄電池が望まれ、その開発が進んでいる。講演では蓄電池の現状と、次世代電池の開発と将来像を概観する。特に近年、次世代電池として脚光を浴びている蓄電池の全固体化の試みについて、その開発の歴史、物質開拓と電池開発、将来展望を報告する。

     

    • 【略歴】
      かんの りょうじ
      菅野  了次
      1980年 大阪大学理学研究科修士課程修了
      1980年 三重大学工学部助手
      1989年 神戸大学理学部助教授
      2001年 東京工業大学大学院総合理工学研究科教授
      2016年 東京工業大学物質理工学院教授


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    • 講演:『ポリオレフィン、シリコン樹脂、複合材料の接着性改良-クルマ・航空機の軽量化へ』
          福島大学 共生システム理工学類 特任教授
          金澤 等 氏
       
    • 講演日:平成28年7月16日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館3F手島精一記念会議室

    • 【講演要旨】
       接着は、各種産業用資材、自動車のタイヤ、自動車・航空機の製造には欠かせない工程となる。各種材料の中で、プラスチックやゴム類には、接着性の乏しい材料が多いので、よりよい接着剤やプライマーの開発が行われている。効果的な接着剤は高価(例:20万円/kg)である。接着剤の開発には限界がある。「着かないものは着かない」と考える。材料の接着性改良のために表面改質が行われるが、改質の困難な材料(シリコン、PMP、PEEK、フッ素樹脂など)が存在する。これらの材料について、表面改質を行い、ぬれ・塗装、接着性の増加を検討した。現在、自動車・航空機の軽量化に、炭素繊維複合材料(CFRPやCFRTP)の利用が進められているが、もう一歩前進させるためには、炭素繊維複合材料を変える事が必須と考える。一方、より安価で汎用性のあるFRPの開発が進められている。材料界面の接着を強くする必要がある。


    • 【略歴】
      1976年3月 東京工業大学 理工学研究科博士課程修了(工学博士)
      1981年4月 福島大学教育学部 助手、助教授
      1995年4月 同 教授
      2005年4月 福島大学 共生システム理工学類 教授
      2015年4月 福島大学 共生システム理工学類 特任教授
      研究領域 :ポリペプチド合成、固相重合、X線解析、高分子機能化、染色・洗剤

 

 


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    • 講演:『面発光レーザフォトニクスの進展』
          東京工業大学
          科学技術創成研究院
          未来産業技術研究所 所長/教授
          小山 二三夫 氏
       
    • 講演日:平成28年9月10日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館3F手島精一記念会議室

    • 【講演要旨】
       面発光レーザは,数十マイクロアンペアのオーダーまで,低しきい値電流化が進められ,消費電力が小さい,2次元アレー化が可能,ウェハ単位での性能試験が可能であるなど,従来構造の半導体レ?ザに比べて多くの利点がある.35年以上にわたる研究を経て,サブミリアンペアの低しきい値素子の実現や高速光データリンクリンク,高精細レーザプリンタ,レーザマウス,あるいは3Dカメラ用光源として市場を形成しつつある.最近では,データセンターやスーパーコンピュータにおける低消費電力光配線への導入が進められている.本講演では,面発光レーザフォトニクスのこれまでの研究経緯,面発光レーザの構造と特性,応用システム,最近の進展について述べる.波長集積・制御技術などの発光素子としての研究に加え,
       生体イメージング,車載用レーザレーダ,レーザ加工への応用などについても紹介する.

     

    • 【略歴】
      1980年東工大卒業.1985年東工大・助手,1988年助教授,2000年教授.面発光レーザ,半導体光集積回路に関する研究。丸文学術賞,市村学術賞,文部科学大臣表彰科学技術賞, IEEE/LEOS William Streifer Award,応用物理学会光・電子集積技術業績賞,市村産業賞など受賞.


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    • 講演:『食中毒と微生物』
          藤森工業株式会社 顧問
          小國 盛稔 氏
       
    • 講演日:平成28年9月10日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館3F手島精一記念会議室

    • 【講演要旨】
       食中毒に関して、本年はさほど騒がしくないが、梅雨から真夏、秋にかけてはO157、ノロウィルス等、微生物による食中毒問題が出やすい時期である。しかしながら、食中毒とは「微生物汚染が原因」に限った事ではなく、「食品を媒介として健康を損なう症状」との広い視点に立って考えてみた。
      そこで、「食中毒とは何ぞや?」から始まり、食中毒の種類は?その原因となる物質(微生物を含めて)は何なのか?危険性は?どうしたら防げるのか?を考えてみた。
      本講演では、微生物汚染・キノコ毒・フグ毒に因る食中毒の過去10年間の発生状況を統計的に観察し、その移り変わりを見ると共に、食中毒の原因と、食中毒に罹った際に、どの様な症状を発症するのか?をまとめて報告する。
       また、「微生物とは何ぞや?」に対しても、明確にしていきたいと思う。


    • 【略歴】
      小國 盛稔
      おぐに もりとし

      略歴:
      昭和45年3月北海道大学水産学部水産食品学科(水産食品製造学専攻)卒業
      昭和48年3月上智大学大学院理工学研究科修士課程(生物化学専攻)修了
      昭和49年3月藤森工業株式会社入社(研究所勤務)
      平成7年4月    同    関東・関西包装事業部包装技術部長
      平成11年4月    同 関東包装事業部医薬・食品包装営業部長
      平成15年4月    同 執行役員包装事業部営業統括
      平成16年4月    同 執行役員食品包装事業部長
      平成17年6月    同 執行役員研究所長
      平成19年6月    同 上席執行役員開発部門担当兼研究所長
      平成24年5月フジモリプラケミカル株式会社取締役社長
      平成28年8月藤森工業株式会社顧問


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    • 講演:『有機エレクトロニクス材料の作り方』
          東京工業大学 物質理工学院 材料系
          森 健彦(モリ タケヒコ) 氏
       
    • 講演日:平成28年10月8日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館1Fロイアルブルーホール

    • 【講演要旨】
       有機ELやフレキシブルディスプレイの実用化など,有機エレクトロニクスは我々にとっても身近な存在になりつつある.そこで原点に帰って「なぜ有機物が電気を流すのか」という疑問に答えることから出発して,現在の高性能な有機半導体材料へと至る道のりをたどる.何種類かの実用的なデバイスを紹介するとともに,安定な動作を実現するためにはどのような要請があるのかについて考えることによって,有機エレクトロニクスの特性について明らかにする.

     

    • 【略歴】
      1980年東京大学理学部化学科卒,1984年分子科学研究所助手,1994年東京工業大学有機材料工学科助教授,2006年教授.有機エレクトロニクス,有機伝導体の物性物理化学.日本化学会進歩賞,日本化学会学術賞.


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    • 講演:『新規軽量構造材料:CFRP技術開発における欧米方式と日本方式の違い』
          信州大学特任教授
          京都工芸繊維大学シニアリサーチフェロー
          梶原 莞爾(カジワラ カンジ) 氏
       
    • 講演日:平成28年10月8日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館1Fロイアルブルーホール

    • 【講演要旨】
       2013,2014年頃より欧米各国は独自の産業技術戦略を打ち出し、それに基づいた大型プロジェクトを発進させている。ECでは2014年にHORIZON2020と称する研究開発計画を発表し、欧州域内での産学協同プロジェクトを推進してきた。新しい産業技術戦略では、ドイツのインダストリー4.0に代表されるように、現在を第4次産業革命の最中にある産業構造変革の時と位置づけ、IoTを核とする産業構造に変革していくことを目的とした複数のリサーチパークの設立と、それぞれのリサーチパークの推進力となる独立研究機関を既存の研究機関(たとえばフラウンホーファー研究所、航空宇宙研究所、繊維工学研究所等)のサテライトとして開設、隣接する大学との連携、地方の企業の誘致により特定プロジェクト推進を集中的に行っている。
       一方、わが国では産業技術戦略のローリングは2012年頃からは行われておらず、当時の戦略に基づく大型プロジェクトがNEDO等の機関により進められてはいるものの、従来の国プロと同じく、特定技術開発を目的とするもので、将来の産業構造変革に対処できるかどうかは疑問である。ここでは現行の新規軽量材料開発に焦点をおき、日本方式と欧米方式のプロジェクト推進に対する姿勢の違いを明確にし、さらに今後日本方式をどのように変えていく必要があるかを議論する。


    • 【略歴】
      京都大学工学部工業化学科卒、
      同修士課程終了
      旭化成入社後英国エセックス大学博士課程入学、Ph.D.取得後同大学研究員、その後ドイツフライブルグ大学高分子研究所客員研究員を経て京都大学化学研究所助手、京都工芸繊維大学助教授・教授、大妻女子大学教授、現信州大学特任教授及び京都工芸繊維大学シニアリサーチフェロー

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    • 講演:『エキゾチックな未利用天然資源を用いた新機能材料の開発』
          北陸先端科学技術大学院大学
          先端科学技術研究科環境エネルギー領域・領域長
          金子 達雄(カネコ タツオ) 氏
       
    • 講演日:平成28年11月12日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館3F手島精一記念会議室

    • 【講演要旨】
       持続可能社会を構築するには、再生可能資源から作成されるバイオプラスチックなどの材料を多様化させることが必須である。例えば、ポリ乳酸は最もポピュラーかつ産業的に成功しているバイオプラスチックの一つであり、医学的な分野からも注目されている。他にも多くの再生可能ポリマーが開発されてきたが、それらのほとんどは脂肪族系であり耐熱温度や力学強度が低いために主に使い捨ての材料として活用されているに過ぎない。そのような中、我々は超高性能ポリマーの特徴である芳香環に注目し、従来検討されたことのない芳香族系天然資源を用いて再生可能ポリマーを分子設計してきた。特に4-アミノフェニルアラニンなどのエキゾチックなアミノ酸に注目し、その有効利用を検討した結果、ハイテン材に近い力学強度の透明樹脂や鉛の融点を超える耐熱温度のバイオプラスチックを作成してきた。本講では再生可能ポリマーの分子設計指針や合成方法、構造物性相関に関して詳細に述べたい。

     

    • 【略歴】
      「学歴・職歴」
      1993年3月 東京工業大学有機材料工学科卒業
      1995年3月 東京工業大学大学院博士前期課程理工学研究科有機材料工学専攻修了
      1997年3月 東京工業大学大学院博士後期課程理工学研究科高分子工学専攻
      中途退学(北海道大学助手として赴任の為)
      1998年5月 博士(工学) 取得
      1997年4月 北海道大学大学院理学研究科生物科学専攻・助手
      2001年7月 鹿児島大学工学部応用化学工学科・助手
      2002年4月 鹿児島大学大学院理工学研究科ナノ構造先端材料工学専攻・助手
      2004年4月 大阪大学大学院工学研究科分子化学専攻・助手
      2005年4月 大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻・助手
      2006年5月 北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科・助教授
      2007年4月 北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科・准教授
      2012年7月-12月 カリフォルニア大学ロサンゼルス校 客員准教授
      2015年 JAISTエクセレントコア「高性能天然由来マテリアル」拠点 拠点長
      2016年3月 北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科・教授
      2016年4月 北陸先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科環境エネルギー領域・教授
      2016年4月 北陸先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科環境エネルギー領域・領域長

      「受賞歴」
      2002年 日本化学会第81春季年会 「講演奨励賞」
      2003年 積水化学自然に学ぶものづくり研究助成プログラム「奨励賞」
      2004年 平成16年度新化学発展協会研究奨励金
      2006年 積水化学自然に学ぶものづくり研究助成プログラム「奨励賞」
      2010年 文部科学大臣表彰「若手科学者賞」
      2012年 第4回ものづくり日本大賞「九州経済産業局長賞」
      2015年 科研費第一次審査 審査委員表彰(学術振興会)
      2015年 学長賞(科研費審査委員賞)
      2015年 学長賞(学生募集活動功労賞)
      2016年 Best Presentation 第251回 アメリカ化学会春季大会
      2016年 Distinguished Award 2016 IUPAC NMS-XII



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    • 講演:『有機半導体の電気伝導シミュレーションの現状と進展』
          筑波大学 数理物質系 助教
          石井 宏幸(イシイ ヒロユキ) 氏
       
    • 講演日:平成28年11月12日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館3F手島精一記念会議室

    • 【講演要旨】
       フレキシブルで印刷塗布可能なエレクトロニクス材料として有機半導体が注目されているが、幅広い実用化のためには現在よりも高い移動度が望まれている。無数にある有機分子の中から高移動度材料を見つけるためには、シミュレーションによる迅速な移動度評価が有効である。従来、有機半導体の移動度は0.1cm^2/Vs以下と極めて低いことから移動度評価にはホッピング理論が用いられてきた。一方、最近報告されている新しい有機材料や有機単結晶デバイスの移動度は非常に高く10cm^2/Vsを超える。観測される物性はホッピング理論と無機半導体で使われるバンド理論の中間的性質を示し、従来型の伝導理論が使えない。この問題を解決するために私達は分子レベルから有機材料の伝導物性を第一原理的に計算可能な新しい大規模伝導計算法を開発している。本講演では私達の計算手法や様々な材料への適用例について紹介する。


    • 【略歴】
       2001年3月 千葉大学 理学部物理学科 卒業
       2006年3月 千葉大学 大学院自然科学研究科 博士課程修了
       2006年4月 筑波大学 数理物質科学研究科 博士研究員
       2012年10月 JSTさきがけ研究者(「分子技術と新機能創出」領域)
       2016年4月 筑波大学 数理物質系 主任研究員
       2016年10月 筑波大学 数理物質系 助教

 

 


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    • 講演:『繊維材料の安全・安心』
          東京工業大学 物質理工学院材料系 教授(評議員)
          鞠谷 雄士(キクタニ タケシ) 氏
       
    • 講演日:平成28年12月10日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館3F手島精一記念会議室

    • 【講演要旨】
       サステイナブルな社会の実現に向けて、資源・エネルギー消費の無駄を省いていくこと、そして環境を汚染しないことは重要な課題です。本講演では、身近な材料である「繊維材料」について、「安全・安心」のための取り組みに焦点を当て、最近の研究動向等を紹介します。世の中の合成繊維の8割以上を占めるポリエステルの環境負荷については、触媒、染色、洗濯などが課題となります。合成繊維と天然繊維のどちらが環境に優しいかについても、冷静な判断が必要です。脱化石資源としてのバイオベースポリマーの将来性を考えるとき、現在使われている汎用ポリマーに比べ性能が劣るという問題点を克服する必要があります。繊維材料の高性能化の王道である高強度・高弾性率化を通じて、軽量構造体の構築による省資源、移動体の構築による消費エネルギー削減を実現することについては、組織的な動きが加速しています。

     

    • 【略歴】
      専門
      繊維・高分子材料の成形加工と構造物性、特に高速溶融紡糸、複合紡糸、フィルム成形など

      学歴・職歴
      1982年      :東京工業大学大学院博士後期課程繊維工学専攻修了(工学博士)
      1982年〜1991年 :東京工業大学 工学部 有機材料工学科 助手
           この間、米国オハイオ州立アクロン大学客員研究員(14ヶ月)(1986-87)
      1991年〜2000年 :東京工業大学大学院 有機・高分子物質専攻 助教授
      2001年〜2016年 :東京工業大学大学院 有機・高分子物質専攻 教授
      2016年4月より組織改革により所属変更:東京工業大学物質理工学院材料系教授(評議員)

      学会活動
      繊維学会(会長 2014-2016, 2016-)
      プラスチック成形加工学会(会長 2012-2014)
      Polymer Processing Society (President 2009-2011)
      The Fiber Society (Governing Council 2016- )
      日本繊維機械学会(理事)
      日本化学連合(理事)
      高分子学会、日本レオロジー学会、繊維製品消費科学会II


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    • 講演:『レーザー照明の現状と展望
            -ディスプレイ用からヘッドライト、植物工場まで-』
          大阪大学光科学センター 副センター長、特任教授
          山本 和久(ヤマモト カズヒサ) 氏
       
    • 講演日:平成28年12月10日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館3F手島精一記念会議室

    • 【講演要旨】
       見せるレーザー光としてのディスプレイへの実用展開はレーザーの発明以来の夢であった。民生用レーザーTVに続いて、超小型の携帯プロジェクタ、高輝度データプロジェクタ、ヘッドアップディスプレイが商品化、その波及効果はレーザー照明分野へと拡がりレーザーヘッドライトが実用化された。極めて広い色再現範囲を持つだけでなく、超小型および高輝度・高効率化により超低消費電力化もねらえるという特徴もあり商品化が急加速している。
       ここでは、レーザー照明について、その構成、特徴、課題を解説する。また応用としてディスプレイ用照明から業務用照明、植物工場用照明なども紹介する。


    • 【略歴】
      1981年大阪大学基礎工学部電気工学科卒、同年松下電器産業(株)に入社。光導波路デバイス、光ディスク用青色SHGレーザー、映像・メディア機器へのレーザー応用(光メモリ、レーザーディスプレイ)などの研究に従事。
      2009年から大阪大学光科学センター 副センター長、 特任教授。現在に至る。
      研究分野はレーザーディスプレイ・照明など。
      その他、
      ・レーザー学会常務理事
      ・NPO法人日本フォトニクス協議会理事
      ・NEDO「最先端可視光半導体レーザーデバイス応用に係る基板整備」プロジェクトリーダー
      ・可視光半導体レーザー応用コンソーシアム代表

 


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2017年1月11日 最終更新

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