新規事業研究会月例会講演要旨

(平成26年)
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    • 講演:『1分子レベルから見た有機材料のナノスケール世界』
          東京工業大学 有機・高分子物質専攻 准教授
          Martin Vacha (マーティン・バッハ) 氏
       
    • 講演日:平成26年1月11日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 1F ロイアルブルーホール

    • 【講演要旨】
       近年、ナノ科学および計測技術の進歩によって、有機材料および高分子試料のナノ構造と物性の評価・解析が進んでいる。特に、ナノスケールにおける物性解析のための新手法として、単一分子分光法および計測法が着目されている。個々の分子からの蛍光を測定し、静的あるいは動的な分子の不均一性を観察することによって、分子の構造と分子運動、さらには光物理特性について新たな知見が得られることが明らかとなってきている。
       本講演では、合成および天然有機分子、分子集合体および高分子が関連する広範な物理現象と化学過程の研究に、単一分子分光計測法がどのように寄与できるかを紹介する。特に、高分子のコンフォメーション変化、ガラス転移温度付近での高分子の分子運動、共役系高分子の光物理および電界発光、自然および人工の光捕集システムの構造と光物性の研究について紹介する。

     

    • 【略歴】
      1987年 カレル大学(プラハ、チェコ)数学物理学部化学物理学科 大学院修士課程
      終了
      1991年 カレル大学(プラハ、チェコ)数学物理学部化学物理学科 大学院博士課程終了、理学博士取得

      1993年 カレル大学化学物理学科・助手
      1993年 東京大学 化学生命工学科・文部省客員研究員
      1996年 電子技術総合研究所・科技庁STA科学技術特別研究員
      1998年 東京農工大学物理システム工学科・研究員
      2001年 学習院大学理学部化学科・助手
      2003年 東京農工大学工学部有機材料化学科・助手
      2004年 東京工業大学有機高分子物質専攻・准教授



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    • 講演:『動的共有結合化学を基盤とする次世代ソフトマテリアル設計』
          東京工業大学 大学院理工学研究科
          有機・高分子物質専攻 ソフトマテリアル化学分野 教授
          大塚 英幸 氏
       
    • 講演日:平成26年1月11日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 1F ロイアルブルーホール

    • 【講演要旨】
       共有結合でありながら可逆的な開裂-付加を実現できる特殊な結合を利用する化学システムは、「動的共有結合化学」として最近注目されている。平衡系の共有結合に基づく分子構造体は熱力学的に安定な構造を有するが、環境変化(温度変化、濃度変化、化学種添加など)によってその構造が変化するという特徴をもつ。このような平衡系の共有結合を高分子骨格中に導入することで、合成後にも高分子構造の再編成を自由に行うことができる。こうした高分子の構造変換系は、既存の合成法では得ることが難しい高分子の画期的な合成法として有用であること、さらにはそれ自身が周囲の環境に応じて構造や物性が変わる高分子であることなど、様々な機能性材料の開発手段となる潜在的な可能性を秘めている。本講演では、動的共有結合化学を基盤とする次世代ソフトマテリアル設計について紹介する。

     

    • 【略歴】
      1992年 九州大学工学部合成化学科卒業
      1994年 同大学院工学研究科合成化学専攻修士課程修了
      1995年 日本学術振興会特別研究員(1997まで)
      1996年 九州大学大学院工学研究科合成化学専攻博士課程修了
          博士(工学)[期間短縮取得]
      (1996-1997 英国バーミンガム大学客員研究員)
      1997年 東京工業大学資源化学研究所助手
      2000年 九州大学有機化学基礎研究センター助教授
      2003年 九州大学先導物質化学研究所助教授(2007年より准教授に職名変更)
      2013年 東京工業大学大学院理研究科教授(現職)

      受賞歴
       科学技術分野における文部科学大臣表彰若手科学者賞 (2005年4月)
       日本ゴム協会第55回優秀論文賞 (2008年5月)
       第22回有機合成化学協会研究企画賞 (2010年2月)
       日本化学会BCSJ論文賞 (2011年9月)
       高分子学会Wiley賞 (2012年9月)
       日本ゴム協会ブリヂストンソフトマテリアルフロンティア賞 (2013年5月)

      研究専門分野
       高分子反応,スマート高分子材料設計



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    • 講演:『高機能化すすむスーパーエンプラ〜液晶ポリマーの最近のニーズと開発事例〜』
          ポリプラスチックス株式会社
          研究開発本部 研究開発センター 主任研究員
          田口 吉昭 氏
       
    • 講演日:平成26年2月15日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 3F 手島精一記念会議室
      ※ 2月度月例会は大雪のため中止になりました。

    • 【講演要旨】
       成形用熱可塑性プラスチックの中で液晶ポリマー(LCP)とは、溶融時にネマチック液晶性を示す一群の全芳香族系ポリエステルである。この剛直で直線性が高い分子は結晶性も高く、融点も高いため、優れた耐熱性、機械特性、射出成形など成形加工時に発生する余分な流動抵抗が小さく高流動性を有する樹脂である。故に、高度な成形性を求められる電子部品の分野で使用例が多い。しかしながら、電子部品の小型化・薄肉化というファイン化の傾向は今後も絶え間なく進行するものと予想され、LCPの材料特性への要求レベルが極めて高くなってきている。本発表では、今後のLCP市場で取り上げられると想定される更なる高流動化、及び高熱伝導化について弊社での研究内容を紹介する。

     

    • 【略歴】
      現職 ポリプラスチックス株式会社 研究開発本部 研究開発センター 主任研究員
      1998年
      東京理科大学大学院理工学研究科工業化学専攻修士課程修了
      同年
      帝人株式会社入社 樹脂研究所にて、射出成型用ポリエステル材料の開発に従事
      2004年
      ポリプラスチックス株式会社入社 研究開発センターにて射出成型用ポリエステル材料の開発に従事
      2010年
      東京工業大学大学院理工学研究科有機・高分子専攻博士課程修了、博士(工学)
      現在に至る。


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    • 講演:『高分子フィルムの光学特性制御』
          東京工業大学
          大学院理工学研究科 物質科学専攻 教授
          扇澤 敏明 氏
       
    • 講演日:平成26年2月15日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 3F 手島精一記念会議室
      ※ 2月度月例会は大雪のため中止になりました。

    • 【講演要旨】
       情報の表示や伝送システムの大きな進歩にともない、光学関連材料の需要が飛躍的に伸びている。それに伴い、光ディスク、光学レンズ、光ファイバー、フラットパネルディスプレイなどにおける光学用樹脂の用途が大きく広がってきており、要求性能も高くなっている。基本的な光学特性の代表的なものに、透明性、屈折率、複屈折があり、耐熱性などの一般的な性質を維持しつつこれらの特性を向上させる必要がある。ここでは、光学フィルムにおける屈折率と複屈折の制御について、計算手法からのアプローチとポリマーブレンドからのアプローチについて述べる。

     

    • 【略歴】
      1987 東京工業大学大学院 博士過程修了(工学博士)
      1987- DuPont社Central Research & Development(USA) 客員研究員
      1989- 通商産 業省工業技術院繊維高分子材料研究所 研究員
      1993- 通商産業省工業技術院 物質工学工業技術研究所 主任研究官
      1994- 東京工業大学工学部有機材料工学科 助教授(後、准教授に名称変更)
      2011〜 東京工業大学大学院理工学研究科物質科学専攻 教授

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    • 講演:『最終講義』
          新規事業研究会会長
          東京工業大学大学院 有機・高分子物質専攻 教授
          渡辺 順次 氏
       
    • 講演日:平成26年3月8日(土)於て 東工大(大岡山) 東京工業大学大岡山キャンパス70周年記念講堂

    • 新規事業研究会会長 渡辺順次 教授が,めでたく定年を迎えられ,本年3月をもちまして東京工業大学を退職されました。
      渡辺教授のこれまでのご功労に敬意を表し,感謝申し上げるとともに,今後のご健勝とご発展をお祈りする気持ちを込めまして,最終講義・懇親会がとりおこなわれました。

      最終講義は東京工業大学との協賛で行われました。

    • 発起人
      高田十志和 野島修一 安藤慎治 芹澤 武 大塚英幸    
      ほか東京工業大学工学部高分子工学科教職員一同
      曽根正人(東京工業大学) 金子達雄(北陸先端科学技術大学院大学) 戸木田雅利(東京工業大学) 坂尻浩一(東京工業大学) 伊藤大道(愛媛大学) 大越研人(千歳科学技術大学) 長田健介(東京大学) 姜聲敏(東京工業大学) 石毛亮平(九州大学)ほか研究室卒業生一同



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    • 講演:『高熱伝導を目指したポリイミド系ハイブリッド材料の設計と特性』
          東京工業大学 大学院
          理工学研究科 物質科学専攻 教授   
          安藤 慎治 氏
       
    • 講演日:平成26年4月12日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 1F ロイアルブルーホール

    • 【講演要旨】
       近年の半導体デバイスの高速・高集積・高電圧化にともない,電子機器からの発熱量と発熱密度は増加の一途をたどっている.そのため,電子産業分野やパワーエレクトロニクス分野において,金属製の放熱部品間の接着に用いられる高分子系材料の熱伝導性を飛躍的に向上させることが急務となっている。われわれは、代表的なスーパーエンプラであるポリイミド(PI)膜の分子構造・高次構造と膜厚方向の熱拡散率との関係性を解明し,また膜厚方向の熱拡散率を評価するパラメータとしてVuks パラメータの有効性を示した.さらに、少量の無機ナノ微粒子の添加により,膜厚方向の熱伝導率を効率的に向上させる無機微粒子 (六角錐形状の酸化亜鉛、立方体形状の酸化マグネシウム)/PIハイブリッド膜の新しい分子設計指針、特に非相溶ポリイミドブレンドを用いた“垂直型ダブルパーコレーション(VDP) 相分離構造”による熱伝導経路の自発的な形成法を提案し,その有効性を実証した.本講演では、上記の内容に加え、平板状の窒化ホウ素や、新規に合成した棒状の酸化亜鉛などを熱伝導性微粒子(フィラー)として用いた直近の研究成果を含めてご紹介する.

     

    • 【略歴】

      学 歴:
      平成元年3月 東京工業大学理工学研究科 高分子工学専攻 博士課程修了.

      職 歴:
      平成元年4月〜平成7年6月
      日本電信電話株式会社(NTT)入社後、境界領域研究所主任研究員.
      平成7年7月
      東京工業大学 高分子工学専攻 高分子機能解析講座 助教授.
      平成10年4月〜11年2月
      英国ダーラム(Durham)大学化学科客員研究員.
      平成11年3月
      東京工業大学 有機・高分子物質専攻ソフトマテリアル構造講座 助教授.(改組による)
      平成18年8月
      東京工業大学理工学研究科 物質科学専攻 物質設計講座 教授.(現職)
      平成24年4月
      東京工業大学工学部 副工学部長
      平成26年4月
      東京工業大学大学院理工学研究科 副工学系長

      著書等    
      『高分子と光が織りなす新機能・新物性,7, 日本化学会編, 化学同人, (2011) (分担).
      『新訂版 最新ポリイミド-基礎と応用-』, エヌ・ティー・エス, 102-128 (2010) (分担).
      『広がるNMRの世界』朝倉哲郎編著, コロナ社, 6-9 (2011) (分担).

      専門分野
      1) 固体高分子物質の構造解析と光学物性・熱物性.
      2) 高分子物質のナノハイブリッド化による機能化・高性能化
      3) 高分子物質の固体核磁気共鳴分光(NMR).




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    • 講演:『高機能化すすむスーパーエンプラ〜液晶ポリマーの最近のニーズと開発事例〜』
          ポリプラスチックス株式会社
          研究開発本部 研究開発センター 主任研究員
          田口 吉昭 氏
       
    • 講演日:平成26年4月12日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 1F ロイアルブルーホール

    • 【講演要旨】
       成形用熱可塑性プラスチックの中で液晶ポリマー(LCP)とは、溶融時にネマチック液晶性を示す一群の全芳香族系ポリエステルである。この剛直で直線性が高い分子は結晶性も高く、融点も高いため、優れた耐熱性、機械特性、射出成形など成形加工時に発生する余分な流動抵抗が小さく高流動性を有する樹脂である。故に、高度な成形性を求められる電子部品の分野で使用例が多い。しかしながら、電子部品の小型化・薄肉化というファイン化の傾向は今後も絶え間なく進行するものと予想され、LCPの材料特性への要求レベルが極めて高くなってきている。本発表では、今後のLCP市場で取り上げられると想定される更なる高流動化、及び高熱伝導化について弊社での研究内容を紹介する。

     

    • 【略歴】
      現職 ポリプラスチックス株式会社 研究開発本部 研究開発センター 主任研究員
      1998年
      東京理科大学大学院理工学研究科工業化学専攻修士課程修了
      同年
      帝人株式会社入社 樹脂研究所にて、射出成型用ポリエステル材料の開発に従事
      2004年
      ポリプラスチックス株式会社入社 研究開発センターにて射出成型用ポリエステル材料の開発に従事
      2010年
      東京工業大学大学院理工学研究科有機・高分子専攻博士課程修了、博士(工学)
      現在に至る

     


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    • 講演:『ナノ構造制御による機能性光学フィルムの開発』
          東京工業大学大学院
          理工学研究科 有機・高分子物質専攻 特任准教授   
          坂尻 浩一 氏
       
    • 講演日:平成26年5月10日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 1F ロイアルブルーホール

    • 【講演要旨】
       光には、透過、反射、屈折、回折、散乱、干渉などの様々な現象が見られる。このような光学特性を利用し、構造設計された機能性薄膜を光学フィルムと呼ぶことができる。本講演では、液晶材料を用い、構造制御した光学フィルムについて紹介する。具体的には、可視光領域の波長を広帯域で反射するプラスチックミラー、赤と青の1:1混合色であるマゼンタ色を発する単層フィルムについて解説する。赤は700nm、青は450nmの波長に対応する。離れた2つの波長からマゼンタを創り出すためには、赤と青のフィルムを重ねるしかないはず。単層すなわち1枚のフィルムでどのようにして創られるのか。またJSTのプロジェクトで開発を進めているナノ粒子やナノファイバーを用いた機能性透明フィルムについて紹介する。

     

    • 【略歴】

      ・平成13年3月
       東京工業大学理工学研究科高分子工学専攻博士後期課程修了
      ・平成13年4月―平成15年6月
       東邦テナックス株式会社 研究所 (平成14年11月―平成15年5月:帝人テクノプロダクツ)
      ・平成15年6月―平成17年3月
       科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 八島超構造らせん高分子プロジェクト
      ・平成17年4月―平成23年3月
       岐阜大学工学部応用化学科 助教
      ・平成23年4月―現在
       東京工業大学大学院理工学研究科 有機・高分子物質専攻 特任准教授




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    • 講演:『安倍政権が推進する国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)の今後の動向とビジネスチャンス』
          東京工業大学 ソリューション研究機構 特任教授
          慶應義塾大学 SFC研究所上席所員(visit)
          金谷 年展 氏
       
    • 講演日:平成26年5月10日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 1F ロイアルブルーホール

    • 【講演要旨】
       昨年12月に国土強靭化基本法が成立し、安倍総理を本部長とし、全閣僚が参加する「国土強靭化推進本部」が立ち上がった。 今年の5月にはいよいよ国土強靭化基本計画が閣議決定される見通しであり、エネルギー、建設、医療、情報、農林水産など幅広い分野でのイノベーション促進が期待される。
       今後、国土強靭化によってどのように制度が変わるのか、またマーケットもどのように変化をしていくのか、水素エネルギーを含めた最新技術の紹介も交えながら解説していく。

     

    • 【略歴】
       1990年東北大学大学院理学研究科博士課程修了(理学博士)。1990年(株)富士総合研究所入社、同社主事研究員の後、慶應義塾大学大学院政策メディア研究科教授などを経て、2012年4月より現職のSFC研究所上席所員(Visit)、2012年5月より現職の東京工業大学ソリューション研究機構特任教授に就任。

       国土強靭化担当大臣私的諮問委員会『ナショナル・レジリエンス懇談会』委員、内閣府『国連防災世界会議準備会合』委員、内閣府『戦略的イノベーションプログラム評価委員会』委員、経済産業省資源エネルギー庁『再生可能エネルギー等の普及啓発事業・企画委員会』委員、『バイオマス産業都市選定委員会』委員、環境省『家庭エコ診断推進基盤整備事業検討委員会WG』委員長、『独立行政法人評価委員会産業技術分科会NEDO部会』委員、内閣府『カーボンマネジャーキャリア段位制度運営委員会』委員長など多くの国や地方自治体の委員等を務める。また、これまでに内閣府「行政刷新会議 規制・制度改革に関する分科会エネルギーWG」委員なども歴任。

       主な著書に『メルセデス・ベンツに乗るということ』『マイクロパワー革命』『世界を変える、クールソリューション』など。日本テレビ系『世界一受けたい授業』などTV出演も多数。
       一方、地域資源活用型ビジネス及びブランディング・PRコンサルティングの会社を傘下にもつ『(株)次世代戦略総研』(年商約42億円)を創業し、代表取締役も務める。

       『メルセデス・ベンツ』や『大間のマグロ』などのブランド化をはじめ、世論を動かした数多くの商品やヒットブランドづくりに貢献した。加えて『北海道市場』『テラスL』など全国14店舗の地産地消の飲食店の創業オーナーでもある。

 


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    • 講演:『ワイヤレス電力伝送』
          ネオテス株式会社 代表取締役   
          牛嶋 昌和 氏
       
    • 講演日:平成26年6月14日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 1F ロイアルブルーホール

    • 【講演要旨】
       ワイヤレス電力伝送(非接触給電・ワイヤレス給電)は、電子産業の中で現在最も市場の伸びが著しい分野と言われ、続々と多く応用製品が登場している。
       ワイヤレス電力伝送は世界的にも将来性が期待されている市場分野であり、わが国でも将来50兆円の新市場の開拓を目指して総務省が策定した「電波新産業創出プロジェクト」の中で、ワイヤレス電力伝送の家電の世帯普及率を80%にする目標も示されていると言われる。(Economic News)
       しかしながら、技術的には未解明・未完成な部分も多く、最も進んでいるといわれるWiTricityの磁界共振方式にも限界が見え始めた。
       そこで提案されるのが磁界共振方式の問題点を取り除いた改良磁界共振(Advanced MR)方式であり、本研究会において初の公開となる。
       従来MR方式と併せてその原理の解明と解説、デモンストレーションを行う。

     

    • 【略歴】
      学歴:
      1976年3月 東京理科大学理学部応用化学科卒業
      1978年3月 東京理科大学物理化学教室化学専攻

      職歴:
      1977年4月〜1978年3月 芝浦工業大学付属高等学校教員
      1979年4月〜1981年3月 大成高等学校教員
      1988年 ベンチャー企業設立〜現在ネオテス株式会社代表取締役

      発明暦:
      1992年 世界最小ペンシルインバータ(液晶バックライト用)を発明
      2003年 液晶バックライト冷陰極管並列点灯システムZAULaSを発明 SONY BLAVIA等採用
      その他インバータ関係の発明多数


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    • 講演:『高分子フィルムの光学特性制御』
          東京工業大学
          大学院理工学研究科 物質科学専攻 教授
          扇澤 敏明 氏
       
    • 講演日:平成26年6月14日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 1F ロイアルブルーホール

    • 【講演要旨】
       情報の表示や伝送システムの大きな進歩にともない、光学関連材料の需要が飛躍的に伸びている。それに伴い、光ディスク、光学レンズ、光ファイバー、フラットパネルディスプレイなどにおける光学用樹脂の用途が大きく広がってきており、要求性能も高くなっている。基本的な光学特性の代表的なものに、透明性、屈折率、複屈折があり、耐熱性などの一般的な性質を維持しつつこれらの特性を向上させる必要がある。ここでは、光学フィルムにおける屈折率と複屈折の制御について、計算手法からのアプローチとポリマーブレンドからのアプローチについて述べる。

     

    • 【略歴】
      1987 東京工業大学大学院 博士過程修了(工学博士)
      1987- DuPont社Central Research & Development(USA) 客員研究員
      1989- 通商産 業省工業技術院繊維高分子材料研究所 研究員
      1993- 通商産業省工業技術院 物質工学工業技術研究所 主任研究官
      1994- 東京工業大学工学部有機材料工学科 助教授(後、准教授に名称変更)
      2011〜 東京工業大学大学院理工学研究科物質科学専攻 教授

 


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    • 講演:『界面活性剤工業とその新たな可能性』
          日華化学株式会社 グループ研究センター長   
          松田 光夫 氏
       
    • 講演日:平成26年8月2日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 3F 手島精一記念会議室
      ※ 7月12日の月例会が大型台風8号接近のため、8月2日に延期されました。

    • 【講演要旨】
       富岡製糸場の世界遺産登録は、最近の明るいトピックであるが、日本の近代工業はここから始まったと言うことができる。界面活性剤工業も、繊維油剤・助剤からスタートし、そこから様々な分野への応用展開がなされてきた。界面という状態は、如何なる素材においても共通した複雑な現象であり、界面活性剤はその制御に一定のソリューションを与える有力な手段である。日本の化審法に収載される既存化学物質リストのうち1割近くを界面活性剤が占めているのもそのためであろう。分子を表面に並べる界面科学は18世紀に始まり、ラングミュアによって基礎が築かれた。分子を集め、組み立てるコロイド科学は、19〜20世紀に確立し、生命現象と関連する自己組織化や、超分子化学の誕生、さらに現在のナノテクノロジーブームへと繋がっている。界面活性剤工業に深く関わる一企業の事業展開の経緯を通して、その技術とこれからの発展の可能性について言及したい。

     

    • 【略歴】
      学歴:
      1978年3月 大阪大学理学部化学科卒業、有機構造化学専攻
      2002年3月 神戸大学大学院自然科学研究科修了、分子集合科学専攻、博士(工学)

      職歴
      1978年3月 日華化学株式会社 入社
      染色・仕上・精練・高分子化学・合成化学 各研究所勤務
      1993年4月 NICCA USA Inc. 出向 R&D Manager
      1996年10月 ローヌプーラン日華株式会社(現ソルベイ日華)出向
      2007年12月 日華化学株式会社 研究開発本部 副本部長〜本部長
      2012年2月〜新規育成事業部門 グループ研究センター センター長(現職)
      2013年4月〜日本界面活性剤工業会 技術委員会副委員長
      2013年4月〜福井大学大学院 繊維先端工学 客員教授(兼務)


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    • 講演:『ナノダイヤモンド,グラフェンオキサイドを充てんした高分子ナノ複合材料』
          神戸大学大学院工学研究科応用化学専攻 教授 
          副研究科長,界面科学研究センター長
          西野 孝 氏
       
    • 講演日:平成26年8月2日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 3F 手島精一記念会議室
      ※ 7月12日の月例会が大型台風8号接近のため、8月2日に延期されました。

    • 【講演要旨】
       天然に存在する炭素の同素体としてのダイヤモンドとグラファイトは,他の人工材料を凌駕する力学物性,熱物性,電気物性などを併せ持つことが知られている。これらをナノサイズにしたナノダイヤモンド(ND)とグラフェン,グラフェンオキサイド(GO)では本来の特性に加えてナノサイズ効果の発現が期待できる。本講演では,ポスト・カーボンナノチューブ素材として注目されるND,GOを高分子に充てんしたナノ複合材料を取り上げ,研究動向,環境調和プロセスによる材料創製と共に,得られた複合材料の特性について,われわれの試みを紹介する。

     

    • 【略歴】
      <名 前> 西 野  孝 (にしの たかし)
      <勤務先> 神戸大学大学院工学研究科応用化学専攻 教授 
      副研究科長,界面科学研究センター長
      <学 歴>
      昭和57年3月 神戸大学工学部工業化学科 卒業
      昭和59年3月 神戸大学大学院工学研究科工業化学専攻 修士課程 修了
      昭和60年6月 神戸大学大学院自然科学研究科物質科学専攻 博士課程 中退
      平成 2年3月 工学博士(神戸大学)
      <職 歴>
      昭和60年7月 神戸大学工学部工業化学科・助手
       平成3年11月 オランダ王国アイントホーヘン工科大学(P.J.Lemstra教授)博士研究員
                                    (平成4年11月まで)
      平成 8 年4月 神戸大学工学部応用化学科・助教授
      平成16年10月 神戸大学工学部応用化学科・教授  
      平成19年4月 神戸大学大学院工学研究科応用化学専攻・教授
      (組織改組に伴う所属変更,現在に至る)
      <専 門> 高分子固体物性(力学物性・ 表面物性), 高分子固体構造,
               機能材料(複合材料,生体材料,環境調和材料)
      <学会活動> 
      ○高分子学会 (業務執行理事,関西支部副支部長),○日本接着学会(副会長,理事,国際交流委員長),○セルロース学会(評議員)○近畿化学協会(理事,事業委員)○繊維学会(関西支部役員)○プラスチック成形加工学会(関西支部支部長)○American Chemical Society, 日本化学会,日本ゴム協会,日本レオロジー学会,日本バイオマテリアル学会, 日本材料学会,正会員,幹事など,○日本学術振興会第120委員会 研究委員
      <受 賞>
      平成3年度  高分子学会 高分子研究奨励金 授与(現;高分子研究奨励賞)
      平成10年度  日本接着学会 進歩賞 
      平成11年度  日本材料学会 学術奨励賞
      平成13年度  複合材料界面科学研究会 研究奨励賞
      平成19年度  繊維学会 学会賞
      平成19年度  セルロース学会 学会賞
      平成23年度  日本接着学会 学会賞
      平成26年度  日本材料学会 学術貢献賞

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    • 講演:『化粧品分野における粉体の役割、機能とその開発技術』
          エイボン・プロダクツ株式会社
          研究開発本部 リサーチサイエンティスト   
          大上 和則 氏
       
    • 講演日:平成26年9月20日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 1F ロイアルブルーホール

    • 【講演要旨】
       化粧品には様々な製品群があり、スキンケア製品・サンケア製品・メイクアップ製品・ヘアケア製品またはパーソナルケア製品などがある。各製品は、水性成分・油性成分・固形成分・界面活性剤・粉体や香料等、種々の成分の組み合わせによって構成されている。これらの構成成分のうち特に粉体が果たす役割は多岐にわたり、無機・有機の違いから粉体の特徴・機能性はもちろんのこと、複合化や形状制御等の原料開発アプローチも様々である。本講演では化粧品における「使用感」「肌の保護」「見た目・仕上がり」「消臭」「スタイリング」等、求められる機能性についてどのように粉体がその役割を果たしているのか、またより高機能な粉体を目指してどのような粉体設計・開発が行われているのかを紹介するとともに、今後の化粧品分野における粉体の将来展望について述べる。

     

    • 【略歴】
      現職 エイボン・プロダクツ株式会社 研究開発本部 リサーチサイエンティスト

      2002年
      関西学院大学理学部化学科卒業
      同年
      Procter & Gamble Far East Inc. (現P&G Japan 株式会社) 研究開発本部 入社
      SK-II, Max Factorをはじめとするグローバルのファンデーション開発に従事
      2011年
      エイボン・プロダクツ株式会社 研究開発本部 入社
       メイクアップ、サンケア製品の開発に従事
      現在に至る。


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    • 講演:『黒色粒子を用いる単色構造色材料の開発と応用』
          千葉大学大学院工学研究科 助教
          桑折 道済 氏
       
    • 講演日:平成26年9月20日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 1F ロイアルブルーホール

    • 【講演要旨】
       光の干渉,散乱,回折などで発現する構造色は,色素や顔料による発色と異なり退色することがなく,現在さまざまな手法による構造色の発現が検討されている。本講演では,単分散なポリドーパミン黒色粒子を用いる,角度依存性がなく彩度の高い単色構造色材料の開発について紹介する。黒色粒子のサイズ,粒子濃度,ならびに配列構造を制御することで構造色の色や質感の制御を行った。また,素材として利用する高分子「ポリドーパミン」を透明薄膜化し,ユニバーサル表面改質法ならびに機能材料作製へと展開した研究についてもあわせて紹介する。

     

    • 【略歴】
      桑折 道済(こおり みちなり)

      <学歴>
      2002年3月 東北大学工学部分子化学工学科 卒業
      2004年3月 東北大学大学院工学研究科材料化学専攻 修士課程修了
      2007年3月 東北大学大学院工学研究科バイオ工学専攻 博士課程修了,博士(工学)取得

      <職歴>
      2007年4月?2008年3月 東北大学多元物質科学研究所 助教(研究特任)
      2008年4月?現在 千葉大学大学院工学研究科 助教
      この間2012年 リオン第1大学(仏)訪問研究員


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    • 講演:『遺伝子組換えカイコによる、新しいシルク素材の創出』
          独立行政法人農業生物資源研究所 
          遺伝子組換えカイコ研究センター
          新機能素材研究開発ユニット
          主任研究員 小島桂 氏
       
    • 講演日:平成26年10月18日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 1F ロイアルブルーホール

    • 【講演要旨】
       カイコ(Bombyx mori)は、人類が長い期間をかけて家畜化した動物で、カイコが作る糸(シルク)は古くから貴重な繊維として利用されている。カイコは長い歴史の中で改良を繰り返されたことで、ヒトによる世話が無くなると絶滅してしまうほど人類に依存しているため、遺伝子組換えをしても環境中に漏出しにくい安全な組換え生物と考えられている。農業生物資源研究所では、カイコの遺伝子組換え技術を開発し、カイコが作るシルクを高機能化してその利用範囲を広げるべく研究開発を進めてきた。
       本講演では、カイコの遺伝子組換え技術の紹介から、実際に我々が作り出した機能性シルクとして、抗体分子の一部を持つシルク「アフィニティーシルク」および、クモ糸のタンパク質を発現させて強度を増したシルク「クモ糸シルク」等について紹介したい。また、シルクの糸以外の利用法についての我々の研究成果についてもあわせて紹介したい。

     

    • 【略歴】
      小島 桂(こじま かつら)

      平成14年3月 
      北海道大学大学院農学研究科 博士後期課程 修了

      平成14年4月〜平成15年3月
      独立行政法人 農業生物資源研究所 ポスドク研究員

      平成15年4月〜平成20年3月
      独立行政法人 農業生物資源研究所 生態機能模倣研究室 任期付研究員

      平成20年4月〜現在
      独立行政法人 農業生物資源研究所  遺伝子組換え研究センター
      新機能素材研究開発ユニット 主任研究員


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    • 講演:『湯でカエルになる企業と殿様カエルになる企業の本質を見抜く-金融機関並びに製造会社経営の実務を実践した企業家の視点から-』
          徳永経営者コーチニング事務所
          所長 兼 主任コーチ
          徳永 健人 氏
       
    • 講演日:平成26年10月18日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 1F ロイアルブルーホール

    • 【講演要旨】
       要旨を一言で言えば「変わらなければ生きてゆけない時代」に生きると表現できる内容であります。
       本講演は、ビジネスで成功したいと真摯に求めている人のための講演内容であると同時に、仕事に悩み、組織内で戸惑い、人間関係に苦しみながらも、それでも答えを探し続けるビジネスパーソンに送るエールとあると同時に、一般的に行われるコンサルタントの講演と違い、自身メガバンク、広島のリージョナルバンクのボーディングメンバーとしての経験、中小製造業のCEO、中堅ジャスダック上場会社の常勤社外監査役としてのガバナンスの監視役の経験等の実践から得た企業経営者に必要な考え方等を泥臭くお話させて頂きたいと考えております。
       自身50年近く経済・金融界の現場の中で生きてきた人間として、また現在も多くの企業経営者の経営指導、相談に乗っている人間として、多くの企業経営者の栄枯盛衰を拝見してきましたが、そこには理屈だけでは説明出来ない共通した多くの事項が見られます。
       本日は、その点を中心にお話申し上げ、事経験した事実を述べさせて頂き、いささかでも皆様のお役に立つ内容になればと考えている次第であります。
       なお、本日は経営学の講義でもありませんので、使用する用語等については、皆様方にご理解いただきやすくするため、専門用語は出来るだけ避けたいと考えておりますが、中には専門用語があって難しくお感じになればそれは講師の能力不足でありお許し頂きたいと存じます。

     

    • 【略歴】
      昭和18年1月1日愛媛県西条市出身
      昭和40年日本大学経済学部卒業
      同年富士銀行入行
      富士銀行準役員待遇参与
      広島総合銀行(現もみじ銀行)常務取締役
      株式会社サン・ポール代表取締役
      株式会社山王常勤社外監査役
      社団法人DFガバナンス部会会員(現)
      東京広島県人会理事(現)
      徳永経営者コーチニング事務所所長(現)

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    • 講演:『計算化学シミュレーションの現状』
          東京工業大学 大学院
          理工学研究科 物質科学専攻 准教授
          川内 進 氏
       
    • 講演日:平成26年11月8日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 3F 手島精一記念会議室

    • 【講演要旨】
       コンピューターの高速化に伴って、コンピューターを用いた化学研究が大学、企業を問わず、日常的に行われるようになった。この分野は計算化学とよばれ、昨年のノーベル化学賞受賞からも、その重要性が明白となっている。スーパーコンピューターのシステム自体、ここ数年で大きく変わってきている。特に東工大所有のスーパーコンピューターTSUBAMEは第3世代を迎えようとしている。TSUBAMEは、メーカーではなく大学主導で設計した珍しいスーパーコンピューターであるとともに、省エネでも世界に先駆けたシステムであり、世界に誇るシステムとなっている。本公演では、TSUBAMEを用いた研究を紹介することで、現在の計算化学で何が出来るのか、どのレベルにあるのか、また今後の課題は何か、大学・企業などの視点から解説することを試みる。

     

    • 【略歴】
      1981年3月 東京工業大学工学部高分子工学科卒業
      1983年3月 東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了
      1992年7月   京都大学博士(工学)

      職歴
      1983年4月-1994年4月 昭和電工株式会社
      1994年5月 東京工業大学工学部 高分子工学科 高分子化学第三講座助手
      1997年1月 東京工業大学工学部 高分子工学科 高分子物性講座助手
      1999年4月 東京工業大学大学院 理工学研究科 有機・高分子物質専攻助手
      2006年11月 東京工業大学大学院 理工学研究科 有機・高分子物質専攻助教授
      2007年4月 東京工業大学大学院 理工学研究科 有機・高分子物質専攻准教授
      (現在に至る)


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    • 講演:『表面官能基化ZrO2ナノ微粒子を用いた高透明ハイブリッド材料』
          山形大学 大学院 理工学研究科 教授
          川口 正剛 氏
       
    • 講演日:平成26年11月8日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 3F 手島精一記念会議室

    • 【講演要旨】
       シングルナノサイズの無機微粒子を高分子マトリックス中にナノレベルで複合化した透明ハイブリッド材料は,高分子材料の光学特性を制御できる点で注目されている。しかしながら,多くの無機ナノ微粒子は水中分散体で得られるので,高分子中に凝集することなくナノ分散させることは一般に容易ではない。演者らは最近,水中でナノ分散している透明なZrO2ナノ微粒子分散液を炭素数が4以上のカルボン酸を用い,トルエン/水/アルコールを用いた新規表面処理化方法によって,凝集することなくトルエン中にナノ分散する手法を開発した。この方法によって表面疎水化処理されたZrO2ナノ微粒子は,乾燥後も様々な有機溶媒やモノマーに自発的に溶解(分散)可能であった。ビニル系ポリマーや逐次系ポリマーとのハイブリッド化によって,熱硬化性および熱可塑性の高屈折率かつ高透明なバルク材料を得る方法について講演する。

     

    • 【略歴】
      氏名:川口正剛 (KAWAGUCHI SEIOU)
      現職名:山形大学 大学院 理工学研究科 教授

      学歴:
      1985年 豊橋技術科学大学 工学部 物質工学科 卒業
      1987年 豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 修士課程 物質工学専攻 修了
      1988年 豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 博士課程 材料システム工学専攻 中退
      1991年 論文博士(工学)取得

      職歴:
      1988年 豊橋技術科学大学 工学部 物質工学系 教務職員
      1991年 豊橋技術科学大学 工学部 物質工学系 助手
      1993年〜1994年(20カ月) カナダトロント大学 客員研究員
      2000年 山形大学 工学部 機能高分子工学科 助教授
      2006年 山形大学 工学部 機能高分子工学科 教授
      2007年 山形大学 大学院 理工学研究科 教授、現在に至る。

      賞: 平成8年度高分子研究奨励賞(高分子学会)

      専門分野:高分子合成、高分子溶液物性、高分子微粒子合成、電子ペーパー
      主な研究テーマ:
      1. 高分子電解質および両親媒性高分子の合成と溶液物性
      2. マクロモノマーを用いた高分子設計
      3. 分岐高分子の合成と溶液物性
      4. 高分子微粒子合成と電子ペーパーへの応用
      5. 有機無機ハイブリッド材料

      学会役員等
      高分子学会東北支部 理事
      日本接着学会東北支部支部長
      高分子学会 高分子ナノテクノロジー研究会 運営委員
      色材協会 編集委員 など


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    • 講演:『ペロブスカイト型太陽電池:材料の特性と高効率化』
          京都大学化学研究所 准教授
          若宮 淳志 氏
       
    • 講演日:平成26年12月13日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 1F ロイアルブルーホール

    • 【講演要旨】
       近年、CH3NH3PbI3などの鉛ハライド系ペロブスカイトを光吸収材料に用いたペロブスカイト型太陽電池が、次世代型の低コスト太陽電池として急速に注目を集めている。本太陽電池は、有機系太陽電池と同様に、導電性ガラス基板あるいはフィルム上への塗布プロセスにより作製可能である。我々は、有機合成化学および有機?無機ハイブリッド材料化学の観点から、本太陽電池の高効率化に取り組んでいる。本講演では、このペロブスカイト型太陽電池について、最新の研究動向も含めて紹介する。

     

    • 【略歴】
      氏 名:若宮 淳志(わかみや あつし)

      勤務先:京都大学化学研究所 准教授

      学歴:
      平成10年3月 京都大学工学部工業化学科 卒業
      平成12年3月 京都大学大学院工学研究科
                 物質エネルギー化学専攻修士課程 修了
      平成15年3月 京都大学大学院工学研究科
                 物質エネルギー化学専攻博士後期課程 修了
                 博士(工学)取得 (小松紘一教授)

      職歴:
      平成12年4月?平成15年3月 日本学術振興会特別研究員(DC1)
      この間,平成12年7月〜9月 米国Boston College訪問研究員
      (Lawrence T. Scott教授)
      平成15年4月 名古屋大学大学院理学研究科 助手
      平成18年12月 名古屋大学 物質科学国際研究センター 助手(配置換)
      平成19年4月 名古屋大学 物質科学国際研究センター 助教
      平成22年2月 京都大学化学研究所 准教授
      平成22年10月 JST-さきがけ「太陽光と光電変換機能」領域 研究者(兼任)
      平成23年 日本学術振興会 日独先端科学シンポジウム (JGFos)
      化学・材料科学部門 プランニンググループメンバー PGM(兼任)
      平成24年 同 PGM主査(日本側代表議長)(兼任)

      専門分野:
      構造有機化学,機能材料科学,有機元素化学、有機?無機ハイブリッド材料化学

      受賞歴:
      平成16年8月 IUPAC ICOS-15 Prize
      平成17年2月 有機合成化学協会研究企画賞
      平成19年3月 日本化学会 若い世代の特別講演会 講演者賞
      平成20年9月 Young Boron Chemist Award(ホウ素化学国際学会)
      平成21年3月 第58回日本化学会進歩賞
      平成24年4月 平成24年度文部科学大臣表彰若手科学者賞
      平成25年5月 第2回新化学技術研究奨励賞(JACI 新化学技術推進協会)
      平成25年12月 さきがけ「太陽光と光電変換機能」総括賞


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    • 講演:『グラフト化によるナノ粒子表面への機能付与と新規複合材料への応用』
          新潟大学 名誉教授・フェロー
          坪川 紀夫 氏
       
    • 講演日:平成26年12月13日(土)於て 東工大(大岡山) 蔵前会館 1F ロイアルブルーホール

    • 【講演要旨】
       ナノカーボンや無機ナノ粒子表面へポリマーをグラフト化すると、溶媒中やポリマー中への分散性が著しく向上するばかりでなく、粒子表面へ多彩な機能を付与することができる。本講演では、表面グラフト化の方法についてまとめ、カーボンナノチューブ、ナノダイヤモンド、グラフェンなどのナノカーボン表面へのグラフト反応の具体例を紹介する。また、ナノ粒子表面への抗菌性、難燃性、さらには紫外線吸収性などの付与と複合材料への応用展開について述べる。さらに、グラフト化による、ナノ粒子の分酸性制御や、生物忌避性物質や酸化防止剤などの機能物質をインターカレートした、層状複水化合物の機能性フィラーとしての可能性について述べる。


    • 【略歴】
      氏   名:坪川紀夫
      ふりがな :つぼかわ のりお
      所   属:新潟大学
      役   職:名誉教授・フェロー

      略 歴:

      昭和47年3月  新潟大学大学院工学研究科修士課程修了
      昭和63年7月  同助教授
      平成7年4月   同教授 
      平成18年4月  近畿大学分子工学研究所 客員教授(現在に至る)
      平成21年4月  新潟大学大学院自然科学研究科長(?平成23年3月)
      平成23年4月  新潟大学工学部長(?平成25年3月)
      平成25年3月  新潟大学定年退職
      平成25年4月  新潟大学名誉教授・自然科学系フェロー
      平成25年10月 新潟大学産学連携機構研究支援部産学連携課
               産官学連携シニアリサーチ・コーディネーター(現在に至る)

      専 門:
       高分子合成、ナノ粒子表面改質

      受賞歴その他:

      平成2年5月  とやま賞(富山県置県百年記念財団)
      平成3年5月  日本ゴム協会優秀論文賞
      平成5年9月  色材協会賞(論文賞)
      平成7年10月 石川カーボン賞(石川カーボン科学技術振興財団)
      平成18年9月 高分子学会三菱化学賞(高分子学会)
      平成20年1月 技術奨励賞(フィラー研究会)
      平成25年5月 高分子科学功績賞(高分子学会)
      平成26年1月 功労賞(フィラー研究会)
      平成26年10月 ネットワークポリマー功労賞(合成樹脂工業会)


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2014年12月24日 最終更新

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