新規事業研究会 月例研究会講演要旨

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  • 講演:「有機ハイブリッド系制振材料」
       東京工業大学大学院 理工学研究科 有機高分子物質専攻 教授 石津 浩二 氏

  • 講演日:平成12年9月9日(土)於て 東工大(大岡山) 百年記念館

  • 講師プロフィール:

    石津浩二講師 昭和48年 東京工業大学 大学院理工学研究科
          化学工学専攻博士課程退学
          高分子工学科 助手
    昭和50年 東京工業大学 工学博士取得
    昭和56〜57年 米国アリゾナ大学 博士研究員
    平成2年  東京工業大学 高分子工学科 助教授
    平成7年  同教授 現在 (大学院理工学研究科・有機高分子物質専攻) に至る
    専門分野  高分子合成,高分子ナノ材料の設計

    石津 浩二 講師

  • 講演要旨:
    近年、分子サイズの秩序構造を取り扱う超分子化学なる学問領域において、特有のナノメーターサイズの構造体が発現する新物性を高分子に見出そうとする研究が精力的に行われている。石津教授はブロック共重合体が形成する10~100nmオーダーのスフェア,シリンダー,ラメラ形態の秩序だった超格子構造の配向制御と機能の附与、またトポロジカルな構造に由来する高分岐スター型ポリマー(ブロックやグラフト共重合体が形成するミセル及びミクロ相分離膜の凝集コア構造にゲル化反応を加えることで合成される。講演ではコア-シェル型ミクロスフェアと呼称)の階層的超格子形成等を系統的に研究されてきた。  粒径が制御された、かつ極めて狭い粒径分布をもつミクロスフェアの合成に成功され、それらの溶液からフィルム形成に至る相分離挙動を解説された。それは小角X線散乱より明らかにされ、体心立方格子(BCC)から階層的に充填密度の高い面心立方格子(FCC)へと変化するものであった。更に、最配列エントロピー効果が高いミクロスフェアにブロック共重合体やホモポリマーを混合しアロイ化による新構造の多成分系高分子素材の構築や、重合可能なモノマーに均一に分散させることによる超格子の重合固定化を考えられた。実際に、BCCやFCCの球間距離を任意に制御し固定できることを明らかにされた。その中でも、大きな粒径のミクロスフェア溶液は自発色調性をもち、重合固定化により、光学材料として応用が期待されるものであった。  石津教授は他に導電異方性ブロック共重合体凝集構造や様々な新組織体の合成も手掛けて居り、学術面だけでなく、新物性や応用についても聴講者と討論が行われた。
    (文責 新規事業研究会 専務理事 奥野 善次郎, 東工大大学院 渡辺順次教授研究室 坂尻)

  • 配布資料:高分子加工, 46巻3号, 2(98)~6(102), (1997年), [超構造体ポリマーの設計と機能発現]


  • 講演:「水吸うプラスチックス」福島大学 教育学部 教授 金沢 等 氏  氏

  • 講演日:平成12年9月9日(土)於て 東工大(大岡山) 百年記念館

    金沢 等講師 金沢 等講師
    金沢 等 講師 新素材の吸水性をデモされる講師

  • 講演要旨:
    スーパーの袋に代表されるポリオレフィンは最も大量に、身近に使われているプラスチックであり、軽い、強い、安い、水に強い(疎水性)という長所がある。一方で、これらの材料は親水性、接着性、染色性が無いという問題点がある。これは、これらポリオレフィンが、炭素と水素のみからなる高分子であることによる性質であり、不活性材料(化学変化を受けにくい)とも言われる。それ故、限られた用途にのみ用いられてきた。もしポリプロピレンに吸水性を付与し、強度が低下しない技術が開発されれば、他の一般的な高分子にも容易に適用できるはずである。また、塩素を含まない為、多くの用途が期待される。金沢教授は従来の紫外線、放射線や電子線等の高エネルギーを加えること無く、製造時に他の材料を混合させること無く、かつ布に化学処理を施すこと無く、大量に安価な親水性処理法を開発することに成功された。同時に、親水化により接着と染色を可能にさせた。  講演は開発された親水化技術のビデオ紹介、親水処理物の提示をされ、性質、用途の可能性に関する討論を中心にして行われた。特許申請中の為、処理法については残念ながら、明らかにされなかったが、材料の種類や形状を選ばず、ほぼ全てに適用可能であり、またアルカリ処理によって吸水性や強度の低下が起きない大変画期的な技術であり、多数の用途が考えられ、聴講者を魅了しました。

    (文責 新規事業研究会 専務理事 奥野 善次郎,東工大大学院 渡辺順次研究室 坂尻 浩一)

  • 配布資料:レジュメ「水吸うプラスチックス」


  • 講演:「有機ハイブリッド系制振材料」
       東京工業大学大学院 理工学研究科 物質科学専攻 教授 住田 雅夫 氏

  • 講演日:平成12年10月14日(土)於て 東工大(大岡山) 百年記念館

  • 講演要旨:
    複合圧電ダンパ 2.、圧電型吸音材料、B.有機ハイブッリド制振材料について基本的な所から応用への展開の講演であった.複合圧電ダンパについては、ポリマ−+PZT+CBの組み合わせが、制振効率に及ぼす因子について理論的解説を行った.マトリックスとPZT、CBの量的関係など興味深い内容であった.導電メカニズム、抵抗値、界面の問題などエネルギ−伝達が一つの鍵と思われる.因子として振動エネルギ−の圧電体への伝達効率、電気機械結合係数、インピ−ダンス整合条件 などである.圧電型吸音材料については、新技術事業団での検討の内容であり、PVDFフィルム+外部電気回路、シアノエチル化ヒドロキシエチルセルロ−スを使用した例などを挙げての説明であった.  延伸方向により性質が異なることや、ねじれの問題もピアゾ系材料との問題も含め興味深い.抵抗及び共振回路の導入、制振特性のフィルムサイズ依存性から圧電分散型が有利とのこと.最後の有機ハイブリッド制振材は、ポリマ−+有機誘電体との組み合わせで損失係数tan δの歪依存性、tanδ及び貯蔵弾性率の温度依存性、音響特性、損失係数 tan δの分散形態依存性など、有機材特有のはたらきを使用して、安価な制振材の開発を紹介された.自動車メ―か−や建築構造物、音響機器など用途は広そうである.損失係数が従来品の5〜6倍は魅力的である.(文責 新規事業研究会 理事 影山 邦夫)

  • 配布資料:レジメ「環境循環型新機能高分子材料の可能性」


  • 講演:「高齢技術者会社マイスター60の試み」
       ー年令は背番号 人生に定年なしー
       マイスターエンジニアリング(株)社長 平野 茂夫 氏

  • 講演日:平成12年10月14日(土)於て 東工大(大岡山) 百年記念館

  • 講演要旨:
    (Mマイスター60は、60歳以上の高齢者で構成される技術者集団。会社概要は以下のとおり。平成2年2月に親会社Mマイスターエンジニアリングから分離独立、資本金1000万円、社員数330名、平均年齢65歳、最高年齢81歳、売上高8億5400万円(平成12/3期)。ベンチャーへの投資気運にのって通産省・中小企業庁から認定された第一号の企業。20名でスタート。   講演は、会社設立の経緯、動機、人員構成の特徴など各種一般紙で詳しく紹介された内容を最後まで熱っぽく語られた。講演中味は次のような新聞記事の紹介記事の見出し、キーワードですべて表現される。<60歳以上が新入社の条件>、<生涯現役>、<人生に定年なし>、<定年制見直し>、<熟知する高齢者の戦力活用>、<資格が役立つ第二の人生>、<働きがい重視の社風>、<体力・知力人さまざまで迷い>、<失業した専門家集めて人材会社>、<リストラの荒波超える、企業戦士OBに自己実現の場>などなど。 人材の活用方法の特徴としては、60歳新入社員6,7名と若手3〜4名のチームが作られて業務を協同しながら技能と人生を伝授する場があること、全員の名刺には「シニアマネジャー」の称号をつける細やかな配慮もされている。その他給料、査定、事故の補償、家庭への配慮、利潤の分配など詳細に説明された。「利潤を追求しない、日本で唯一の会社」と平野社長が明言されたユニークな企業の紹介。
    (文責 新規事業研究会 理事 野条 靖雄)

  • 配布資料:マスコミ掲載主要記事(日本経済新聞,朝日新聞,読売新聞,日刊工業新聞,日経ビジネス他)


  • 講演:「新しい防災技術 −部分免振技術の活用」Ref.No.No.001111-1
      (株)テクノウエーブ 常務取締役 事業部長 三浦 義勝 氏

  • 講演日:平成12年11月11日(土)於て 東工大(大岡山) 百年記念館

  • 講師プロフィール:

    三浦 義勝 1961年  北大工学部卒 鹿島建建築設計部門で構造設計担当
    1980年〜 2年半ニューヨーク、アンマン・ウィッニー社
         (シヒルのコンサル)企業研修、制震、免震技術の開発を推進。制震
          技術で日本建築学賞チーム受賞
    著書   「分かり易い免震構造」鹿島出版会 など

    三浦 義勝 講師

  • 講演要旨:
    部分免震振技術は、建物と地面を部分的に切り離して地震の災害を押さえる技術である。一般に、地震による建物の応答倍率は、建物の固有振動周期が大きくなると大きくなり極大値を経て再び小さくなる(周期の長い揺れは応答倍率が小さい)。

    地震力を小さくする方法には、■建物周期を長くする、■柱梁を少なくする、■高層にする、■基礎部にクッションを入れる(免震構造)などがある。
    このクッションは、重い重量を支えるられること、横方向に軟らかく変位できること、大きく変位しても壊われないなどのことが必要。免震装置には、積層ゴム系(薄い鉄板とゴム、ハンモックの上で揺れる感じ)、滑り台系(安い)、転がり系(ベヤリング)などがある。

    免震構造により、地震力を1/3〜1/5に低下させ、建物内容物の機能保持することができる。部分免震は必要な所のみ免震床などの技術で生産ラインの心臓部の保護ができ、コストが安上がりである(電算室で10〜15万円/■、工期は1〜4週間程度)。さらに、建築の確認申請が不必要、工期が短い、3次元免震が可能で、上下動のなどの免震が可能などの特色をもつ。
    一戸建用免震住宅は量が多いが、コストなどの点で展開はこれから。
    (文責 新規事業研究会 専務理事 奥野 善次郎)

  • 配布資料:
    「新しい防災技術−部分免震技術の活用−」 三浦 義勝; 設計資料No.96(1999年前期分)建設工業調査会


  • 講演:「原子燃料サイクルと燃料加工」Ref.No.No.001111-2
        三菱原子燃料(株)顧問 八木 英二 氏

  • 講演日:平成12年11月11日(土)於て 東工大(大岡山) 百年記念館

  • 講師プロフィール:

    八木 英二講師 1957年 京都大学工学部化学機械科卒業 日本原子力研究所入所
          湿式燃料再処理技術の開発業務に従事
    1964年 フランス・フォンテネオローズ原子力研究所留学(1年間)
    1971年 日本原子力研究所 再処理研究室長
          フッ化物揮発法再処理技術の開発業務に従事
    1974年 三菱金属(株)(現三菱マテリアル(株))入社
          原子燃料サイクル施設の調査、開発、設計、建設業務に従事
    1989年 三菱金属(株)取締役原子力技術センター所長
    1992年 三菱マテリアル(株)常務取締役原子力事業部長
    1994年 同社常務取締役開発本部長
    1996年 三菱原子燃料(株)副社長
    1999年 三菱原子燃料(株)顧問、現在に至る
    著書等; 「核燃料再処理の安全設計」アイ・エス・ユー(1977)
    「再処理施設の安全性」原子力工業誌(1978)
    加入学会等:
    日本工学アカデミー会員(専門分野 原子力)
    日本原子力学会
    専門: 原子燃料サイクル

    八木 英二講師

  • 講演要旨:
    平成11年9月に発生したJCO臨界事故以来、これまで原子力発電所と比べ比較的に国民の関心の低かった燃料加工など原子燃料サイクル施設にも目が向くようになった。

    原子炉で利用された燃料は、その中に残っているウランや新しく生成したプルトニウムが回収され、燃料として再利用される。この原子燃料物質の流れを「原子燃料サイクル」と呼び、原子炉を境に上流部分を「フロントエンド」、後流部分を「バックエンド」と呼ぶ。

    フロントエンド;ウラン鉱石はウラン含有量75〜90%まで高められて転換工場に送られて、6フッ化 ウラン(昇華点56.4℃)に変えられる。次に、濃縮工場でウラン235の同位体濃度を約4%重量に濃 縮される。この濃縮6フッ化ウランは、再転換工場で二酸化ウランに転換される。
    この後、二酸化ウランは、成形加工工場で原子炉に装填する燃料集合体の形に加工される

    バックエンド;燃料は、原子炉内出3〜4年間使用された後、使用済み燃料として取り出される。使用済み燃料は、3年程度発電所内のプールで冷却した後、再処理工場へ送り化学処理されてウランとプルトニウムが回収される。日本では、国内940トン、海外で5、600トンである。

    フロントエンド(ウラン取扱い施設)、原子炉発電所、再処理工場それぞれで安全管理が行われている。六フッ化ウランを処理して二酸化ウランを得、ペレットに作成、燃料棒にしてから燃料集合体(燃料棒を 支える約10個のグリッドに260本の燃料棒を挿入)として、原子燃料とする。

    JCO事故とその後;平成11年9月、「常陽」燃料製造のための約19%濃縮ウランの硝酸溶液を製造中に溶解槽の外側の冷 却水が反射鏡のような作用をして、臨界状態が発生したらしい。

    現場作業員は死亡したが、周囲住民で最高21mSv(推定)、その90%が5mSvであった。平成2 年のCRP勧告では、生涯容認線量は従業員で1000mSv、一般員人は1/10とされている。したがって、周囲の人々の事故当時の放射線量は可なり低いものと思われる。新聞報道によって、社会的パニック の結果ともいえる風評被害は現在も続いており、その補償額は100億円を超え、周辺住民の一部は今も放 射線被爆の恐怖から抜け出せないという。

    「原子力施設で事故を起こせない」ことは言うまでもないが、人間が介在する以上、事故は絶対に起こらないとは言えない。お互いに、事故は今後とも起こり得るとの認識の下に、たとえ放射能漏れの事故が起きても恐怖におののくことなく、その発生元と発生量の大きさから危険性を判断して冷静に行動する必要がある。このためには、まず、一人一人が放射線の人体への影響について正しい知識をもつことが不可欠であると結ばれた。
    (文責 新規事業研究会 専務理事 奥野 善次郎)

  • 配布資料:
    「原子燃料サイクルと燃料加工」
    「三菱原子燃料株式会案内」「廃液処理システム ”TANNIX”(三菱原子燃料株式会社)」


  • 講演:「光集積回路の現状と今後の展開」
      (株)東京工業大学 大学院 理工学研究科 電気電子工学専攻 助教授 水本 哲也 氏

  • 講演日:平成12年12月9日(土)於て 東工大(大岡山) 百年記念館

  • 講師プロフィール:
    1979年3月 東京工業大学工学部電気電子工学科卒業
    1984年3月 東京工業大学大学院理工学研究科博士課程電気電子工学専攻修了
    1984年4月 東京工業大学工学部助手
    1987年3月 東京工業大学工学部助教授
    2000年4月 東京工業大学大学院理工学研究科助教授 (現在に至る)

    主な研究テーマ:
    光アイソレータ、光合分波器、光制御光スイッチング素子などの導波路形光機能素子、 全光信号処理光波回路の研究


  • 講演要旨:
    半導体レーザ、光変調器、波長多重通信用合分波器など、光ファイバ通信システムを 構成するためには種々の光素子が必要となる。これらの光機能素子を一枚の基板上に 形成した光集積回路は、光部品の低廉化、信頼性の向上、小型化などをもたらし、 機能性の高い光サブシステムを構築するために必要な技術として実現が期待されて いる。講演では、光集積回路の現状、特に半導体光素子と異種材料光素子の集積化について、技術動向を紹介。(水本講師原稿より)


  • 講演:「新材料がこれからのLSI技術を拓く」
         アプライド マテリアルズ ジャパン(株) 取締役副会長 赤坂 洋一 氏

  • 講演日:平成12年12月9日(土)於て 東工大(大岡山) 百年記念館

  • 講師プロフィール:
    大阪大学工学部電子工学科卒業
    大阪大学基礎工学部博士課程終了
    1970年4月 三菱電機株式会社入社
    1986年4月 LSI研究所作先端デバイス技術部長
    1991年4月 LSI研究所LSI開発第一部長
    1992年7月 アプライドマテリアルズジャパン株式会社入社 取締役副社長 技術統括本部担当
    1993年7月 取締役副社長 製品事業本部長
    1995年1月 アプライドマテリアルズ社副社長
    1997年1月 アプライドマテリアルズジャパン株式会社 代表取締役兼アプライドマテリアルズ社副社長
    1999年11月 アプライドマテリアルズジャパン株式会社 取締役副会長 兼 アプライドマテリアルズ社 副社長
    1985年〜  大阪大学基礎工学部非常勤講師 1988年大阪大学極限物質研究センタ−客員教授を兼務
    1990年   科学技術庁長官賞受賞
    現アプライド マテリアルズ ジャパン株式会社 取締役副会長 兼 アプライドマテリアルズ社 副社長


  • 講演要旨:
    世代(2〜3年)毎に2/3に寸法が小さくなり、このため集積度が4倍になると いうム−アの法則と呼ばれる微細化の進展のためチップコストの低減が図られ 応用が広がり、更にコストが下がるという正のフィ−ドバックにより、半導体業界 の発展が支えられてきた.現在、微細化は0.1ミクロンに達しようとしており、ム −アの法則を支えてきたスケ−リング則を実現できない物理的限界が見えてきた。 Si 酸化膜に変わる高誘電体材料や逆に低誘電体材料、配線や電極に関わる銅 や新しい金属化合物など、従来半導体工業では使われていなかった新しい材料 ガ不可欠になってきた.光リソグラフィ−も微細化の限界に来ている.これら新しい 事業分野との協力なくしては今後の業界の発展はありえない.(赤坂講師原稿より)

  • 配布資料:
    「新材料がこれからのLSI技術を拓く」


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最終更新 2003年3月24日
新規事業研究会
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